舟渡国際法律事務所

平成27年・当局摘発で発覚した不法残留でも在留特別許可|婚姻約1年・未成年の子1人・違反期間約1年10月の事例(A類型許可第5事例)

お問い合わせはこちら

平成27年・当局摘発で発覚した不法残留でも在留特別許可|婚姻約1年・未成年の子1人・違反期間約1年10月の事例(A類型許可第5事例)

平成27年・当局摘発で発覚した不法残留でも在留特別許可|婚姻約1年・未成年の子1人・違反期間約1年10月の事例(A類型許可第5事例)

2026/08/06

事例の概要

自ら出頭したのではなく、当局の摘発で発覚した事案でも許可される場合があります。平成27年分の事例集(出入国在留管理庁が公表)のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第5事例で、平成27年のA類型許可5件のうち摘発によるものは本事例だけです。

違反態様は不法残留、端緒は当局摘発。在日期間は約3年9月、うち違反期間は約1年10月です。日本人配偶者との婚姻期間は約1年、夫婦間に未成年の子が1人います。刑事処分はありません。許可内容は「日本人の配偶者等(1年)」です。特記事項の欄は空欄で、それ以上の事情は事例集の記載からは判明しません。判断は令和5年改正入管法の施行前、現行ガイドラインの改定前のものです。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(1)(ウ)(積極):日本人との法的な婚姻と、夫婦間の未成年の子1人。婚姻期間約1年は5件中で最も短いのですが、子の存在が婚姻の安定性を裏づけます。
  • 子の利益(積極):本邦で家族とともに生活するという子の利益の保護の必要性。明示は令和6年3月改定によりますので、現在は本事例より積極に評価される余地があります。
  • 第2の9:端緒が摘発ですので、自ら出頭したことによる積極要素はありません。
  • 第2の5(消極):約1年10月の不法在留期間。期間としては短いものです。
  • 第2の6(消極):不法残留という退去強制事由。どの号に当たるかは条文で確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

出頭申告という積極要素を欠く事案です。それを補ったのは、未成年の子を含む家族生活の実体と、違反期間が約1年10月と短くとどまっていたことの組合せと読めます。

同じA類型の不許可第3事例は、警察逮捕による発覚で婚姻期間は約2年8月と本事例より長いのですが、罰金の略式命令があり、同居・婚姻の実態に疑義が持たれて不許可でした。婚姻期間の長短より、家族生活が現に営まれていること、そして違反以外の消極要素を抱えていないことが効いていると考えられます。

弁護士のコメント

第1に、摘発で発覚した場合の初動です。出頭申告の積極要素が使えないため、残る柱は家族関係の立証に絞られます。身柄を拘束された状態では本人が資料を集められませんので、配偶者やご家族が住民票、賃貸借契約書、家計の一体性を示す記録、子の状況に関する資料をそろえる役回りを担うことになります。依頼者本人のために動く立場の通訳を早期に確保しておくことも、事実関係を正確に伝えるうえで意味を持ちます。

第2に、争う段階です。手続は違反調査、違反審査(認定)、口頭審理(判定)、異議申出と進みます。ガイドライン注4は退去強制令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしていますので、資料は違反審査の段階までに出しておくのが安全です。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋です。摘発で発覚した許可例は各年ごく少数ですが、本事例のように現に存在します。当事務所が担当した不法就労助長の事案も、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦は不受理とされた婚姻と認知を憲法的な観点から当局と交渉して成立させ、過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しました。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者の事案では、証拠を徹底して分析し、被告人質問と反対尋問を尽くして無罪判決を獲得しました。裁判員裁判の対象事件や報道された重大事件にも多数対応しています。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となるため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。接見の初動から公判の結審まで松村弁護士自身が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐して、依頼者ご本人のために動く立場から通訳します。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。