舟渡国際法律事務所

平成27年・不法入国で在日約16年1月・婚姻約1年5月・子なしでも在留特別許可|出頭申告の事例(A類型許可第4事例)

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平成27年・不法入国で在日約16年1月・婚姻約1年5月・子なしでも在留特別許可|出頭申告の事例(A類型許可第4事例)

平成27年・不法入国で在日約16年1月・婚姻約1年5月・子なしでも在留特別許可|出頭申告の事例(A類型許可第4事例)

2026/08/06

事例の概要

夫婦間の子がなく、婚姻期間も約1年5月。それでも許可された事例です。平成27年分の事例集(出入国在留管理庁が公表)のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第4事例です。

違反態様は不法入国、端緒は出頭申告。在日期間・違反期間はいずれも約16年1月で、平成27年のA類型許可5件で最も長いものです。日本人配偶者との婚姻期間は約1年5月、夫婦間の子はありません。刑事処分はなく、被退去強制歴は事例集の記載からは判明しません。許可内容は「日本人の配偶者等(1年)」です。判断は令和5年改正入管法の施行前、現行ガイドラインの改定前のものです。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(1)(ウ)(積極):日本人との法的な婚姻はありますが、共同生活は約1年5月にとどまり、子もありません。満たされているのは婚姻の法的成立の部分に限られます。
  • 第2の9(積極):不法滞在の事実を申告するため自ら出頭したこと。本事例で明確な積極要素はこの点と婚姻です。
  • 第2の5(消極):約16年1月の長期の不法在留期間。ただし同項には、その間に地域社会との関係を構築していれば別途積極要素とする留保があります。
  • 第2の6(消極):不法入国という退去強制事由。どの号に当たるかは条文で確認する必要があります。

素行不良(第2の3)に当たる記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

積極要素が薄い事例です。約16年1月の在留の全部が違法で、婚姻は約1年5月、子もない。それでも許可されたのは、長い在留期間そのものが生活基盤の形成と評価され、自ら出頭したことと合わせて天秤を傾けたと読めます。

同じA類型の不許可第2事例は、同じ不法入国・出頭申告で在日約4年2月と期間はむしろ短いのですが、被退去強制歴と同居・婚姻の実態への疑義があり不許可でした。もっとも、不法在留期間の長期化が明示的な消極要素と位置づけられたのは令和6年3月改定ですので、現在の枠組みでは同じ事情の評価が変わりうる点に注意が必要です。

弁護士のコメント

第1に、婚姻期間が短く子がない事案での立証です。子や長い同居歴という分かりやすい裏づけがない場合、住民票、賃貸借契約書、家計の一体性を示す記録、双方の親族との交流といった資料の積み上げが結論を左右します。同居の実態に疑義を持たれた事例が不許可側に並ぶことを踏まえれば、この作業は違反審査の段階から始めるのが安全です。

第2に、長期の在留をどう位置づけるかです。期間の長さは消極要素の側に置かれる一方で、その間に築いた就労歴、納税の状況、地域とのつながりは積極要素の側に立ちます。同じ事実が消極面でしか語られないまま手続が進むと不利ですので、関係構築の裏づけとして能動的に主張しておく必要があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集の掲載は各年20件前後です。子がなく婚姻期間も短い事案は不許可側にも並びますが、本事例のように許可された例もあり、傾向は結論ではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦は不受理とされた婚姻と認知を憲法的な観点から当局と交渉して成立させ、過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しました。

特殊詐欺の出し子とされた20代の女性の事案では、指示役からの欺罔と脅迫的な状況、犯意の不存在を総合的に主張し、不起訴処分を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となるため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。接見の初動から公判の結審まで松村弁護士自身が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐して、依頼者ご本人のために動く立場から通訳します。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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