舟渡国際法律事務所

平成27年・不法入国で在日約9年9月でも在留特別許可|婚姻約4年5月・未成年の子1人・第2子を妊娠中の事例(A類型許可第3事例)

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平成27年・不法入国で在日約9年9月でも在留特別許可|婚姻約4年5月・未成年の子1人・第2子を妊娠中の事例(A類型許可第3事例)

平成27年・不法入国で在日約9年9月でも在留特別許可|婚姻約4年5月・未成年の子1人・第2子を妊娠中の事例(A類型許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

不法残留ではなく、入国そのものが違法だった事案でも許可される場合があります。平成27年分の事例集(出入国在留管理庁が公表)のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第3事例です。

違反態様は不法入国、端緒は出頭申告。在日期間・違反期間はいずれも約9年9月です。日本人配偶者との婚姻期間は約4年5月で、夫婦間に未成年の子が1人、特記事項に第2子を妊娠中と記載されています。刑事処分はありません。許可内容は「日本人の配偶者等(1年)」です。判断は令和5年改正入管法の施行前、現行ガイドラインの改定前のものです。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(1)(ウ)(積極):法的な婚姻に加え、約4年5月の共同生活と未成年の子1人がそろっており、「相当期間共同生活をして相互に扶助し、夫婦間に子がある」という要素が正面から満たされています。
  • 子の利益(積極):本邦で家族とともに生活するという子の利益の保護の必要性。明示は令和6年3月改定によります。
  • 第2の9(積極):不法滞在の事実を申告するため自ら出頭したこと。
  • 第2の5・第2の6(消極):約9年9月の不法在留期間と、不法入国という退去強制事由。不法入国は入国の適法性自体を欠く点で、在留期間の経過による不法残留とは性質が異なります。どの号に当たるかは条文で確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

平成27年のA類型許可5件のうち、婚姻期間が最も長いのが本事例です。約4年5月の婚姻に子1人が加わり、さらに第2子を妊娠中という家族の状況が、不法入国という重い違反態様を上回ったと読めます。

同じA類型の不許可第2事例も不法入国・出頭申告ですが、在日約4年2月・婚姻約7月で、被退去強制歴1回があり、同居・婚姻の実態に疑義が持たれています。違反態様が同じでも結論が分かれているのですから、天秤を動かしたのは違反の種類ではなく、家族関係の厚みと過去の退去強制歴の有無と考えられます。

弁護士のコメント

第1に、不法入国の事案では入国の経緯そのものが調べられます。どの旅券でいつ入国したか、他人名義の書類を用いたかによって、退去強制事由の号も、素行の評価も変わります。刑事処分がない事案でも、経緯を早い段階で正確に整理しておくことが後の主張の土台になります。

第2に、時間軸の問題です。妊娠や出産といった家族の事情は時期が動かせません。ガイドライン注4は退去強制令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしていますので、母子健康手帳や医師の書面などは、判明した時点で違反審査の段階に提出しておくのが安全です。ご本人の身体の状況に関わる事柄ですから、必要な範囲に絞った形で示せば足ります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋です。掲載がないことは、その事情で許可された例がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、なお違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦は不受理とされた婚姻と認知を憲法的な観点から当局と交渉して成立させ、過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しました。

国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件への対応実績があり、中国籍の方の重大事件にも多数対応しています。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となるため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。接見の初動から公判の結審まで松村弁護士自身が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐して、依頼者ご本人のために動く立場から通訳します。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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