舟渡国際法律事務所

平成28年・日本人の実子が更新を失念し自ら警察に出頭して逮捕、それでも在留特別許可|在日約39年4月・日本人の配偶者等(3年)の事例(D類型許可第8事例)

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平成28年・日本人の実子が更新を失念し自ら警察に出頭して逮捕、それでも在留特別許可|在日約39年4月・日本人の配偶者等(3年)の事例(D類型許可第8事例)

平成28年・日本人の実子が更新を失念し自ら警察に出頭して逮捕、それでも在留特別許可|在日約39年4月・日本人の配偶者等(3年)の事例(D類型許可第8事例)

2026/08/06

事例の概要

自ら警察に出頭したところ逮捕された、という経過の例です。平成28年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)許可第8事例で、結論は許可です。違反態様は不法残留、端緒は警察による逮捕で、在日約39年4月・違反約3月です。特記事項には、日本人の実子として長期間本邦に在留する者が失念により在留期間の更新を怠り、自ら警察に出頭して逮捕されたこと、刑事処分はないことが記されています。在留希望の理由は本邦に生活基盤があることで、被退去強制歴の記載はなく、許可内容は日本人の配偶者等(3年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前・改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・第2の2(1):日本人の実子であることは、特に考慮する積極要素の中心です。許可された在留資格が日本人の配偶者等(3年)であることも、これに対応します。
  • 積極要素・その他:在日約39年4月という生活の基盤。
  • 第2の9:同項が挙げるのは不法滞在を申告するため地方出入国在留管理官署に出頭したことです。警察への出頭は直接は当たりませんが、自発的に申し出た経過は実質的に評価されたと読めます。
  • 消極要素・第2の5と第2の6:不法在留は約3月と短期で、退去強制事由は不法残留です。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。第2の3の素行不良の記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。本事例は、日本人の実子という積極要素、39年を超える在留、約3月にとどまる違反期間が重なります。同じ平成28年D類型の不許可第4事例も端緒は警察による逮捕ですが、偽造在留カードの提供により入管法違反で懲役2年・執行猶予3年の判決を受け、被退去強制歴も1回ありました(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。同じ端緒でも、その後に何が問題とされるかで結論は分かれます。

弁護士のコメント

刑事処分がない事例です。2点を述べます。

第1に、逮捕を経ても刑事処分がなかったことの意味です。仮に有罪判決を受けていれば素行の面で消極要素が加わり、判断はより難しくなっていたと考えられます。刑事段階の対応が入管手続の前提を作る関係が読み取れます。

第2に、更新の失念に気づいた後の動き方です。自ら申し出る場合でも、どこに何を申し出るかで手続は変わります。在留の経緯と生活基盤を示す資料をそろえて臨むことが、違反審査からの主張につながります。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋で、許可の全体ではありません。同じ組合せの許可例がないことを結論の予測に使う必要はありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分を争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

国際刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件への対応実績があり、中国籍の方の重大事件にも多数対応しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

逮捕された場合でも、刑事処分を避けられるかどうかが在留の見通しを大きく変えます。早期のご相談をお勧めいたします。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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