舟渡国際法律事務所

平成28年・人身取引被害者として公的機関に保護され特定活動(1月)|国際機関の支援を受けて早期の帰国を希望した方に在留特別許可が出た事例(D類型許可第7事例)

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平成28年・人身取引被害者として公的機関に保護され特定活動(1月)|国際機関の支援を受けて早期の帰国を希望した方に在留特別許可が出た事例(D類型許可第7事例)

平成28年・人身取引被害者として公的機関に保護され特定活動(1月)|国際機関の支援を受けて早期の帰国を希望した方に在留特別許可が出た事例(D類型許可第7事例)

2026/08/06

事例の概要

在留特別許可が、在留の継続ではなく保護と帰国のために用いられた例です。平成28年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)許可第7事例で、結論は許可です。違反態様は不法残留、端緒は警察による逮捕で、在日約2月・違反約2月です。刑事処分と被退去強制歴の記載はありません。特記事項には、人身取引被害者として公的機関に保護されたこと、国際機関の支援を受けて早期の帰国を希望したことが記されています。在留希望の理由の欄は空欄で、許可内容は特定活動(1月)です。被害の詳細には立ち入りません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前・改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・第2の7:人道上の配慮として列挙されるのは、難病等での治療の必要性、本国情勢による帰国困難、無国籍で送還できないことです。本事例は列挙自体には当たりませんが、公的機関に保護された経緯が考慮されたと読めます。
  • 被害者性が認められる場合の評価は、自ら売春を行い又は他人に売春を行わせる行為(第2の3(エ))が消極要素として働く事案とは全く異なります。外形の似た場に置かれていても、被害を受けた立場と加害の側は、ガイドラインの上で別の扱いになります。
  • 第2の9:端緒は警察による逮捕ですので、自ら出頭したことには当たりません。
  • 消極要素・第2の5と第2の6:不法在留は約2月と短期で、退去強制事由は不法残留です。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

決定的だったのは、公的機関の保護と国際機関の支援という客観的な裏付けであると読めます。許可内容が特定活動(1月)であることからは、在留の継続ではなく安全に帰国するための地位として用いられたことがうかがえます。同じ平成28年D類型の不許可第1事例は、在日約2年3月で本事例より長いのですが、技能実習先からの逃亡があり、日本人の婚約者との同居の事実も認められませんでした。

弁護士のコメント

刑事処分がない事例です。2点を述べます。

第1に、初期の記録です。違反の外形だけを追う調査では、本人の置かれていた状況が記録に残らないことがあります。逮捕の直後に、どのような経緯で本邦に来て何が起きたのかが記録されることが、その後の評価を左右します。捜査機関が用意する通訳とは別に、ご本人のために動く通訳を確保する意味もここにあります。

第2に、保護の枠組みへの接続です。公的機関や国際機関による保護の記録は、退去強制手続での主張に客観的な裏付けを与えます。帰国を希望する場合も、その意思と安全の確保を手続に反映させます。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集が載せるのは各年20件前後です。似た立場の許可例がないことは、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

特殊詐欺の出し子とされた20代の女性については、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在を総合的に主張し、不起訴処分を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

被害を受けた立場にある方の場合、その事実が手続の記録に正確に残ることが何より大切でございます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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