舟渡国際法律事務所

平成28年・短期滞在で入国後に脳出血、実子家族の介護のため在留特別許可|当局摘発でも特定活動(1年)が認められた事例(D類型許可第5事例)

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平成28年・短期滞在で入国後に脳出血、実子家族の介護のため在留特別許可|当局摘発でも特定活動(1年)が認められた事例(D類型許可第5事例)

平成28年・短期滞在で入国後に脳出血、実子家族の介護のため在留特別許可|当局摘発でも特定活動(1年)が認められた事例(D類型許可第5事例)

2026/08/06

事例の概要

短期滞在で入国した直後に重い病気で倒れた方の事例です。平成28年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)許可第5事例で、結論は許可です。違反態様は不法残留、端緒は当局の摘発で、在日約2年3月・違反約1年3月です。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。特記事項には、在留資格「短期滞在」で入国した後まもなく脳出血で倒れ、重い後遺症により本邦で実子家族の介護を受けることが人道上の観点から相当であることが記されています。在留希望の理由は、脳出血で重度の障害があること、日本人実子との同居です。許可内容は特定活動(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前・改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・第2の7(1):本邦での治療の必要性や、治療を要する親族の看護を挙げます。本事例は、本人が本邦で実子家族の介護を受ける必要があるという形で、この趣旨に沿って評価されたと読めます。
  • 積極要素・第2の2(1):日本人の実子との家族関係です。同項が特に考慮するのは日本人の実子であることや未成年の実子を監護養育していることですので、親が子の介護を受ける関係が同項に直接当たるかは条文に当たって確認する必要があります。
  • 消極要素・第2の5と第2の6:不法在留約1年3月と不法残留。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。
  • 第2の9の出頭申告には当たりません(端緒は摘発)。第2の3の素行不良に当たる事情の記載もありません。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。同じ平成28年D類型の不許可第1事例は、在日約2年3月・違反約1年3月、端緒も当局の摘発で、数字はまったく同じです。しかし技能実習先からの逃亡があり、日本人の婚約者との同居の事実も認められませんでした。数字が同じでも、人道上の配慮を要する事情と家族関係の実体の有無で結論が分かれたと読めます。

弁護士のコメント

刑事処分がない事例ですので、2点を述べます。

第1に、端緒が摘発でも許可され得ることです。出頭申告は第2の9の積極要素ですが、それがない事案でも、人道上の配慮を要する事情が客観的な資料で示されれば評価されます。本事例はその一例と読めます。

第2に、そろえる資料です。診断書と障害の程度、介護の担い手が本邦にいること、本国での介護が困難であることを示す資料が中心です。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しませんので、摘発の直後から準備を始める必要があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集が載せるのは各年20件前後で、判断の全体ではありません。似た事情の許可例が見当たらないことは、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者については、証拠を徹底して分析し、被告人質問と反対尋問により無罪判決を獲得しております。裁判員裁判の対象事件や報道された重大事件にも多数対応しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

介護や治療の必要がある方の在留については、医療と家族の状況を早い段階で資料化しておくことが要点になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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