舟渡国際法律事務所

平成28年・自らの意思で日本国籍を離脱した後に更新を失念、在日約64年3月で在留特別許可|日本人の配偶者等(3年)が認められた事例(D類型許可第1事例)

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平成28年・自らの意思で日本国籍を離脱した後に更新を失念、在日約64年3月で在留特別許可|日本人の配偶者等(3年)が認められた事例(D類型許可第1事例)

平成28年・自らの意思で日本国籍を離脱した後に更新を失念、在日約64年3月で在留特別許可|日本人の配偶者等(3年)が認められた事例(D類型許可第1事例)

2026/08/06

事例の概要

日本で64年を過ごした方が、自ら日本国籍を離脱した後に在留資格を失った例です。平成28年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)許可第1事例で、結論は許可です。違反態様は不法残留、端緒は出頭申告で、在日約64年3月・違反約6年4月です。刑事処分はありません。特記事項には、自らの意思で日本国籍を離脱したこと、在留期間更新許可申請を失念したことが記されています。在留希望の理由は本邦に生活基盤があることでした。許可内容は日本人の配偶者等(3年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前・改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・第2の2(1):許可された在留資格が「日本人の配偶者等」であることからは、日本人との身分関係が前提にあると読めますが、事例集はその内容までは記していません。
  • 積極要素・第2の9:不法滞在を申告するため自ら出頭したこと。
  • 積極要素・その他:在日約64年3月という生活の基盤。地域社会との関係の構築も考慮の対象です。
  • 消極要素・第2の5と第2の6:不法在留約6年4月と不法残留。長期化が明示的な消極要素とされたのは令和6年改定であり、どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。第2の3の素行不良に当たる事情の記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。天秤を傾けたのは、生活のほぼ全部が本邦にあることと、在留資格を失った原因が更新申請の失念であって在留を偽る意図に基づくものでないことであると読めます。同じ平成28年D類型の不許可第2事例は在日約19年3月ですが、他人名義の旅券で不法入国し、偽装日系人として在留していました。在日期間の長さそのものではなく、その期間をどう過ごしたかが分かれ目と考えられます。

弁護士のコメント

刑事処分がない事例ですので、2点を述べます。

第1に、更新申請の失念という類型です。悪質性が低くとも、不法残留という退去強制事由が生じている点は変わりません。気づいた時点で、経緯を裏付ける資料とともに自ら出頭するかを検討することになります。

第2に、国籍の得喪に関わる事情の立証です。国籍離脱の届出、戸籍の記載、その後の在留歴、生活基盤を示す資料が中心です。手続は違反調査、違反審査(認定)、口頭審理(判定)、異議申出と進み、注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しませんので、早い段階での提出が望まれます。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋で、その年の判断を網羅したものではありません。似た事情の許可例が見当たらないことは、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者については、証拠を徹底して分析し、被告人質問と反対尋問により無罪判決を獲得しております。裁判員裁判の対象事件や報道された重大事件にも多数対応しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

在留資格を失った原因が手続の失念である場合でも、退去強制手続そのものは同じように進みます。早い段階でのご相談をお勧めいたします。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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