舟渡国際法律事務所

平成28年・外国人に不法就労の職業あっせんをして不許可|婚姻約9年5月でも被退去強制歴2回が重なった事例(B類型不許可第4事例)

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平成28年・外国人に不法就労の職業あっせんをして不許可|婚姻約9年5月でも被退去強制歴2回が重なった事例(B類型不許可第4事例)

平成28年・外国人に不法就労の職業あっせんをして不許可|婚姻約9年5月でも被退去強制歴2回が重なった事例(B類型不許可第4事例)

2026/08/06

事例の概要

婚姻期間が約9年5月と長く刑事処分もないのに不許可となった例です。平成28年分の事例集(出入国在留管理庁が平成29年3月に公表)のB類型(配偶者が正規に在留する外国人の場合)不許可第4事例です。違反態様は不法就労助長、端緒は職員探知で、在日期間は約8年7月、婚姻期間は約9年5月、夫婦間に子はありません。違反期間の欄は原文で斜線です。配偶者の在留資格は原典に記載がありません。刑事処分はありませんが、被退去強制歴が2回あります。事例集は、不法就労活動をさせる行為に関し外国人に職業のあっせんをしたものと記載しています。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前の判断ですが、当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。

  • 消極・第2の3(イ):他の外国人の不法就労に関わる行為。職業のあっせんは、自ら雇用するより広く不法就労を生み出す関与の形です。
  • 消極・第2の6:入管法24条3号の4は不法就労助長行為を退去強制事由としています。刑事処分の有無とは別に、この事実自体が評価の対象です。
  • 消極:被退去強制歴が2回あること。複数回の違反歴は、事例集全体で最も重い消極事情の1つです。
  • 消極:端緒が職員探知のため、第2の9の出頭申告は働きません。
  • 第2の2(2)について:配偶者の在留資格は記載がなく、別表第二の枠に入るかどうかは判明しません。婚姻約9年5月は長い期間ですが、これを積極要素として主張する筋道は配偶者の資格次第です。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。婚姻約9年5月は同年B類型の許可事例より長いのですが、不法就労助長と被退去強制歴2回が重なりました。許可第1事例は婚姻約1年で子もなく、積極要素は薄いのですが、出頭申告で素行の消極要素がありませんでした。婚姻の年数ではなく、素行と違反歴の積み重なりが結論を決めていると読めます。

弁護士のコメント

第1に、職業のあっせんという形では、相手の在留資格や就労資格をどこまで確認したかという故意・過失の評価が争点になり得ます。刑事処分がない本件でも、この事実関係は違反審査で正面から主張しておくべきものでした。

第2に、入管実務は退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする運用を長年続けてきました。松村大介弁護士は、この運用の当否を問う訴訟を係争中です。結論の予測はできませんが、認識の内容の立証が後の主張の基礎となります。

第3に、被退去強制歴が複数回ある事案では、それぞれの経緯と現在の生活の違いを示す必要があります。長い婚姻期間も、資料の裏付けがあって意味を持ちます。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

不法就労助長は、公表事例では不許可が並ぶ類型です。もっとも、そこに見えるのは各年20件前後の抜粋にすぎません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、この類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っております。傾向は出発点であって結論ではありません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

不法就労助長罪に問われて強制退去の危機に直面した女性の事案では、退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を問う訴訟を進めております。この事件では、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得しております。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議により、全件について不起訴処分を獲得しております。

当事務所は、不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。多くの罪名では、執行猶予判決を得ても結果として退去強制に至るためです。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

不法就労助長が問題となる事案では、確認の経緯と認識の内容を早い段階で記録に残しておくことが後の主張を支えます。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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