舟渡国際法律事務所

平成28年・出頭申告でも婚姻約7月で不許可|不法残留約13年4月・婚姻と同居の実態に疑義がもたれた事例(B類型不許可第1事例)

お問い合わせはこちら

平成28年・出頭申告でも婚姻約7月で不許可|不法残留約13年4月・婚姻と同居の実態に疑義がもたれた事例(B類型不許可第1事例)

平成28年・出頭申告でも婚姻約7月で不許可|不法残留約13年4月・婚姻と同居の実態に疑義がもたれた事例(B類型不許可第1事例)

2026/08/06

事例の概要

自ら出頭しても、婚姻の実態が確かめられなければ結論は変わりません。出入国在留管理庁が平成29年3月に公表した平成28年分の事例集のB類型(配偶者が正規に在留する外国人の場合)不許可第1事例です。違反態様は不法残留、端緒は出頭申告です。在日期間は約13年7月、うち違反期間は約13年4月です。婚姻期間は約7月、夫婦間に子はありません。配偶者の在留資格は原典に記載がありません。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。事例集は、婚姻・同居の実態に疑義がもたれたものと記載しています。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前の判断ですが、当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。

  • 積極・第2の9:不法滞在を申告するため自ら官署に出頭したこと。
  • 第2の2(2)について:同項が特に考慮するのは、別表第二の在留資格(永住者・特別永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)を有する者との家族関係です。本件は配偶者の在留資格の記載がなく、この枠に入るかどうかは判明しません。配偶者が別表第一の在留資格であれば、この積極要素に直接は当たらない構造です。
  • 消極・第2の5:約13年4月の不法在留期間。令和6年改定で明示的な消極要素とされました。
  • 消極・第2の6:不法残留という退去強制理由(どの号に当たるかは事案ごとに条文に当たって確認する必要があります)。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。本件は出頭申告という積極要素はあるものの、婚姻期間が約7月で子もなく、しかも婚姻・同居の実態に疑義がもたれました。同年B類型の許可第3事例は、違反期間が約6年7月、婚姻期間が約11月と本件に近い形ですが、配偶者が永住者、子が永住者の配偶者等で、婚姻の実態に疑義が向いていません。分かれ目は婚姻の実態と、配偶者側の在留の形だと読めます。

弁護士のコメント

第1に、婚姻の実態への疑義は、出頭後に打ち消すことが難しい類型です。同居の開始時期、住居の状況、家計の一体性、交際から婚姻に至る経緯を、出頭の前に資料として整えておく必要があります。

第2に、配偶者の在留資格を明確にしておくことも重要です。第2の2(2)は別表第二を前提とする構造ですので、配偶者が別表第一の在留資格であれば、家族関係を積極要素として主張する筋道が変わります。

第3に、争う段階です。手続は違反調査、違反審査(認定)、口頭審理(判定)、法務大臣への異議申出と進み、注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしています。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

不許可事例が公表されていることは、同じ事情の方が一律に不許可となることを意味しません。事例集は各年20件前後の抜粋です。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

国際的な刑事事件、裁判員裁判対象事件、世界的に報道された事件への対応実績もあり、中国籍の方の重大事件も多数扱っております。

特殊詐欺の出し子とされた20代の女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在などを総合的に主張し、不起訴処分を獲得しております。

当事務所は、不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。多くの罪名では、執行猶予判決を得ても結果として退去強制に至るためです。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

婚姻の実態が争点になる事案では、出頭の前にどこまで資料を整えられたかが結論を左右いたします。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。