舟渡国際法律事務所

平成28年・不法入国から約17年11月・婚姻約10月でも在留特別許可|配偶者が永住者で日本国籍の実子1人ありの事例(B類型許可第4事例)

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平成28年・不法入国から約17年11月・婚姻約10月でも在留特別許可|配偶者が永住者で日本国籍の実子1人ありの事例(B類型許可第4事例)

平成28年・不法入国から約17年11月・婚姻約10月でも在留特別許可|配偶者が永住者で日本国籍の実子1人ありの事例(B類型許可第4事例)

2026/08/06

事例の概要

在日期間の全部が不法入国による違反期間で、婚姻も1年に満たない事案です。平成28年分の事例集(出入国在留管理庁が平成29年3月に公表)のB類型(配偶者が正規に在留する外国人の場合)許可第4事例です。違反態様は不法入国、端緒は出頭申告で、在日期間と違反期間はいずれも約17年11月です。婚姻期間は約10月、夫婦間に子はありません。配偶者は在留資格「永住者」で、事例集は配偶者に日本国籍を有する実子が1人あると記載しています。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。許可内容は在留資格「永住者の配偶者等」(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前の判断ですが、当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。

  • 積極・第2の2(2):別表第二の在留資格を有する者との家族関係。配偶者の「永住者」がこの枠です。配偶者が別表第一の在留資格の場合はこの積極要素に直接当たりません。
  • 配偶者に日本国籍の実子があることについて:第2の2(1)(イ)は日本人の実子を相当期間同居監護養育している場合を挙げますが、事例集の記載は配偶者の実子であり、申請人自身の実子とは記載されていません。同項に直接当たるとは断定できず、家族の生活基盤の厚みを示す事情と読むのが穏当です。
  • 積極・第2の9:自ら官署に出頭したこと。
  • 消極・第2の5:約17年11月の不法在留期間。令和6年改定で明示的な消極要素とされました。
  • 消極・第2の6:不法入国という退去強制理由(どの号に当たるかは事案ごとに条文に当たって確認する必要があります)。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。本件は不法在留が約17年11月と長く婚姻も約10月ですが、配偶者が永住者であり、家族の生活基盤が本邦に根を下ろしている点が効いたと読めます。同年B類型の不許可第3事例は、同じ不法入国で在日約12年6月ですが、端緒が警察逮捕で、入管法違反による有罪判決を受け、婚姻も逮捕後の成立でした。出頭したかどうかと婚姻の成立時期が分かれ目だと考えられます。

弁護士のコメント

第1に、不法在留が長い事案では、出頭に踏み切る前の準備が結論を左右します。期間の長さは消極要素ですので、配偶者の在留資格、家族の生活の状況、地域社会との関係を形にする必要があります。

第2に、争う段階です。手続は違反調査、違反審査(認定)、口頭審理(判定)、法務大臣への異議申出と進み、注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしています。配偶者側の家族関係の資料も、違反審査の段階で出しておくべきものです。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋で、許可の全体像ではありません。自分の事情が見当たらなくても、そこで結論を決める必要はありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された相談者の事案では、一旦は受理されなかった婚姻と認知を当局との交渉によって成立させ、過去の許可事例を分析して1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者の事案では、徹底した証拠分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しております。

当事務所は、不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。多くの罪名では、執行猶予判決を得ても結果として退去強制に至るためです。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

不法在留が長期に及ぶ事案では、配偶者側の家族関係まで含めて生活基盤を示すことが結論を左右いたします。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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