舟渡国際法律事務所

平成28年・配偶者が永住者で「永住者の配偶者等(1年)」の在留特別許可|婚姻約1年・子のない夫婦が不法残留約2年11月で出頭申告した事例(B類型許可第1事例)

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平成28年・配偶者が永住者で「永住者の配偶者等(1年)」の在留特別許可|婚姻約1年・子のない夫婦が不法残留約2年11月で出頭申告した事例(B類型許可第1事例)

平成28年・配偶者が永住者で「永住者の配偶者等(1年)」の在留特別許可|婚姻約1年・子のない夫婦が不法残留約2年11月で出頭申告した事例(B類型許可第1事例)

2026/08/06

事例の概要

配偶者が日本人ではなく永住者の場合はどう評価されるのか。出入国在留管理庁が平成29年3月に公表した平成28年分の事例集のB類型(配偶者が正規に在留する外国人の場合)許可第1事例です。違反態様は不法残留、端緒は出頭申告です。在日期間は約4年11月、うち違反期間は約2年11月、婚姻期間は約1年で、夫婦間に子はありません。配偶者は在留資格「永住者」です。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。許可内容は在留資格「永住者の配偶者等」(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前の判断ですが、当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。

  • 積極・第2の2(2):同項が特に考慮する積極要素とするのは、別表第二の在留資格(永住者・特別永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)を有する者との家族関係です。配偶者の「永住者」はこの枠に入ります。配偶者が別表第一の在留資格(技術・人文知識・国際業務、留学、家族滞在、経営・管理等)である場合は、この積極要素に直接は当たりません。
  • 積極・第2の9:不法滞在を申告するため自ら官署に出頭したこと。
  • 消極・第2の5:約2年11月の不法在留期間。令和6年改定で明示的な消極要素とされました。
  • 消極・第2の6:不法残留という退去強制理由(どの号に当たるかは事案ごとに条文に当たって確認する必要があります)。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。本件は婚姻約1年で子もなく、積極要素は厚くありません。それでも許可に至ったのは、配偶者が別表第二の枠にあること、自ら出頭したこと、婚姻の実態が疑われなかったことの組合せだと読めます。同年B類型の不許可第1事例は、婚姻期間が約7月で、配偶者の在留資格は事例集に記載がなく、婚姻・同居の実態に疑義がもたれて不許可でした。分かれ目は婚姻の実態だと考えられます。

弁護士のコメント

第1に、配偶者の在留資格を早い段階で明確に示すことが要です。第2の2(2)は別表第二を前提とする構造ですから、配偶者の在留カード、在留資格の変遷、就労と収入の状況は、家族としての生活の安定を示す資料にもなります。

第2に、出す段階です。手続は違反調査、違反審査(認定)、口頭審理(判定)、法務大臣への異議申出と進みます。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしており、違反審査から積み上げるほかありません。

第3に、子のない婚姻では、生活の共同性そのものを示す必要があります。住民票、賃貸借契約、家計の一体性が分かる資料が手がかりです。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋で、許可の全体像ではありません。公表資料に同じ組合せが見当たらないことを結論と受け取る必要はありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された相談者の事案では、一旦は受理されなかった婚姻と認知を当局との交渉によって成立させ、過去の許可事例を分析して1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議により、全件について不起訴処分を獲得しております。

当事務所は、不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。多くの罪名では、執行猶予判決を得ても結果として退去強制に至るためです。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

配偶者が外国人の事案では、その在留資格が別表第二の枠にあるかどうかが出発点となります。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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