舟渡国際法律事務所

平成28年・当局摘発でも「日本人の配偶者等(3年)」の在留特別許可|在留期間更新許可申請の失念・婚姻約16年・未成年の子3人の事例(A類型許可第5事例)

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平成28年・当局摘発でも「日本人の配偶者等(3年)」の在留特別許可|在留期間更新許可申請の失念・婚姻約16年・未成年の子3人の事例(A類型許可第5事例)

平成28年・当局摘発でも「日本人の配偶者等(3年)」の在留特別許可|在留期間更新許可申請の失念・婚姻約16年・未成年の子3人の事例(A類型許可第5事例)

2026/08/06

事例の概要

端緒が当局の摘発であっても、3年という長めの在留期間の許可が出ています。平成28年分の事例集(出入国在留管理庁が平成29年3月に公表)のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第5事例です。違反態様は不法残留、端緒は当局摘発で、在日期間は約15年に対し違反期間は約1年にとどまり、事例集は在留期間更新許可申請を失念したものと記載しています。日本人配偶者との婚姻期間は約16年、夫婦間に未成年の子が3人います。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。許可内容は在留資格「日本人の配偶者等」(3年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前の判断ですが、当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。

  • 積極・第2の2(1)(ウ):日本人と法的に婚姻し、相当期間共同生活をして相互に扶助し、夫婦間に子があるなど婚姻が安定かつ成熟していること。婚姻約16年と未成年の子3人が、この例示をそのまま満たします。
  • 積極・子の利益:家族とともに本邦で生活する子の利益の保護。明示は令和6年3月改定です。
  • 消極・第2の5、第2の6:約1年の不法在留期間と、不法残留という退去強制理由(どの号に当たるかは事案ごとに条文に当たって確認する必要があります)。端緒は当局摘発のため、第2の9の出頭申告は働きません。

結論を分けた一線はどこか

積極要素の中心は、約16年という婚姻の継続そのものです。婚姻期間が在日期間の約15年を上回っており、婚姻関係が現在の在留に先行して続いてきたことが読み取れます。そこに未成年の子3人が加わり、家族基盤の厚みが示されています。消極要素は約1年の不法残留と摘発という端緒に限られます。更新申請の失念という経緯は、在留の意思を失っていなかった現れとして第2の6の評価を軽くする方向に働いたと考えられます。許可期間が1年ではなく3年である点は、家族基盤の安定性が高く評価された結果と読めます。

弁護士のコメント

第1に、摘発で発覚した事案でも道は閉ざされていません。第2の9の出頭申告は使えませんが、違反期間が短く家族基盤が厚い場合には、その厚みで補い得ます。摘発の直後から、婚姻の継続と同居を示す資料を集め始める意味は大きいものです。

第2に、更新申請の失念という経緯は、それ自体を丁寧に立証すべき事情です。前回の在留資格と在留期間、更新を怠った理由、期限切れに気づいた時期を客観資料とともに整理しておくと、意図して不法残留を続けたのではないという評価につながり得ます。退去強制事由に当たる事実は残りますが、第2の6の評価と在留期間の判断には影響します。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋にとどまり、許可の全体像ではありません。摘発で発覚したという一点で見通しを決める必要はありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦は受理されなかった婚姻と認知を憲法的な観点から当局と交渉して成立させ、過去の許可事例を分析して1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議により、全件について不起訴処分を獲得しております。

当事務所は、不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。多くの罪名では、執行猶予判決を得ても結果として退去強制に至るためです。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

更新申請の失念による不法残留は、婚姻の継続と家族の生活の実体を丁寧に示すことで、評価が大きく変わり得る場面でございます。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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