舟渡国際法律事務所

平成29年・窃盗と建造物侵入で懲役3年、前科3件と被退去強制歴1回で不許可|在日約25年11月でも許可されなかった事例(D類型不許可第6事例)

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平成29年・窃盗と建造物侵入で懲役3年、前科3件と被退去強制歴1回で不許可|在日約25年11月でも許可されなかった事例(D類型不許可第6事例)

平成29年・窃盗と建造物侵入で懲役3年、前科3件と被退去強制歴1回で不許可|在日約25年11月でも許可されなかった事例(D類型不許可第6事例)

2026/08/06

事例の概要

在留の年月が長くても素行が覆せない場合を示す事例です。平成29年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)不許可第6事例です。違反態様は不法残留及び刑罰法令違反、端緒は警察による逮捕で、在日期間は約25年11月、違反期間は約3年5月です。刑事処分は、窃盗、建造物侵入により懲役3年の判決でした(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。被退去強制歴が1回あり、前科は3件で、窃盗・建造物侵入により懲役2年の判決、詐欺により懲役1年6月・執行猶予4年の判決等が記載されています。在留希望の理由は、本邦に生活基盤があることでした。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は令和5年改正入管法の施行(令和6年6月10日)前・改定前の判断です。

  • 消極要素・第2の6:入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由とし、全部執行猶予を除外します。本事例の懲役3年は実刑ですので、この号に正面から当たります。
  • 消極要素・素行:前科3件という累行性。同種の財産犯の繰り返しは重く評価されます。
  • 消極要素:被退去強制歴1回。過去に退去強制を受けた事情は強い消極要素です。
  • 消極要素・第2の5と第2の6:約3年5月の不法残留。
  • 積極要素・その他:在日約25年11月という年月のみです。第2の9の出頭申告には当たりません。
  • 現行法では、1年を超える拘禁刑の実刑に処せられた者は50条1項ただし書により、在留を許可しないことが人道上の配慮に欠ける特別の事情がある場合に限り許可されます。

結論を分けた一線はどこか

第3では、積極要素が消極要素を明らかに上回る必要があります。本事例は消極要素が幾重にも重なり、積極側は在留の年月だけでした。同じ平成29年D類型の許可第7事例は、在日約37年2月・不法在留約27年2月と本事例より長いのですが、病気により単独での日常生活が困難という人道上の配慮に当たる事情があり、自ら出頭して永住者の配偶者等(3年)を得ています。年月ではなく、素行と人道的事情の有無が結論を決めています。

弁護士のコメント

2点を述べます。

第1に、財産犯における不起訴の獲得です。窃盗や詐欺では、被害の回復や示談の成否が不起訴の可否を大きく左右します。最初の事件の段階で不起訴を得られていれば、前科の積み重ねと4号リの該当性を生じさせずに済んだ余地がありました。

第2に、被退去強制歴の意味です。一度退去強制を受けた後の再度の在留では、同じ事情でも評価が厳しくなります。再入国の経緯とその後の生活の実質を早い段階で示す必要があり、令書発付後の事情変更は原則として考慮されません(注4)。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋です。前科や被退去強制歴があると許可の例は乏しくなりますが、一律に結論が決まるものではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議により、全件について不起訴処分を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至りますので、起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

最初の1件で不起訴を得られるかどうかが、その後の在留を大きく左右いたします。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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