舟渡国際法律事務所

平成29年・覚せい剤・大麻・麻薬及び向精神薬取締法違反で懲役3年6月・罰金20万円、違法薬物の売買で不許可|在日約17年6月の事例(D類型不許可第2事例)

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平成29年・覚せい剤・大麻・麻薬及び向精神薬取締法違反で懲役3年6月・罰金20万円、違法薬物の売買で不許可|在日約17年6月の事例(D類型不許可第2事例)

平成29年・覚せい剤・大麻・麻薬及び向精神薬取締法違反で懲役3年6月・罰金20万円、違法薬物の売買で不許可|在日約17年6月の事例(D類型不許可第2事例)

2026/08/06

事例の概要

薬物事犯で実刑となった場合の帰結を示す事例です。平成29年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)不許可第2事例です。違反態様は刑罰法令違反、端緒は警察による逮捕で、在日期間は約17年6月です。違反期間の欄は空欄です。刑事処分は、覚せい剤取締法違反、大麻取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反により懲役3年6月、罰金20万円の判決でした(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。被退去強制歴の記載はありません。在留希望の理由は、本邦に生活基盤があることでした。事例集は、違法薬物の売買とこの刑事処分を不許可の事情に挙げています。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は令和5年改正入管法の施行(令和6年6月10日)前・改定前の判断です。

  • 消極要素・第2の6:入管法24条4号チは、薬物関係法令違反により有罪となった者を退去強制事由とし、執行猶予でも除外しません。本事例は実刑であり、無期又は1年を超える拘禁刑を対象とする4号リにも当たります。
  • 消極要素・第2の6:薬物の売買という行為の性質。自己使用にとどまる事案より反社会性が高く評価されます。
  • 積極要素・その他:在日約17年6月という生活の基盤。ほかに家族関係や人道上の配慮に当たる記載はありません。第2の9の出頭申告にも当たりません。
  • 現行法では50条1項ただし書により、1年を超える拘禁刑の実刑に処せられた者や4号チ該当者は、在留を許可しないことが人道上の配慮に欠けると認められる特別の事情がある場合に限り許可されます。

結論を分けた一線はどこか

第3では、積極要素が消極要素を明らかに上回る必要があります。本事例の積極要素は在留の年月だけで、天秤は動きませんでした。同じ平成29年D類型の許可第3事例は、在日・違反いずれも約24年の不法入国事案ですが、刑事処分がなく、幼少時に親族らの手配で入国した経緯があり、自ら出頭して定住者(1年)が認められています。年月ではなく素行が結論を決めていると読めます。

弁護士のコメント

2点を述べます。

第1に、刑事段階の目標設定です。4号チは執行猶予でも退去強制事由となりますので、量刑の軽減だけを目標にすると在留の問題は解決しません。起訴前の段階で不起訴処分を獲得できていれば、退去強制事由該当性そのものを生じさせずに済んだ可能性があります。もっとも見通しは証拠関係によります。

第2に、薬物の認識です。所持や譲渡の対象が違法薬物であるという認識、共謀の範囲は、刑事事件の主要な争点です。ここでの主張と証拠は入管手続の事実関係にも影響します。故意を刑事段階で徹底して争うことが、後の手続の基礎になります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋です。薬物事犯では不許可が並びますが、同種の事情で許可の余地がないことを示すものではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者については、証拠の徹底した分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しております。裁判員裁判の対象事件や報道された重大事件にも多数対応しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至りますので、起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

薬物事件では、刑事の見通しと在留の見通しを最初から一体で考える必要がございます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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