舟渡国際法律事務所

平成29年・認知症により在留期間更新許可申請を失念、在日約48年6月で在留特別許可|出頭申告で定住者(3年)を得た事例(D類型許可第8事例)

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平成29年・認知症により在留期間更新許可申請を失念、在日約48年6月で在留特別許可|出頭申告で定住者(3年)を得た事例(D類型許可第8事例)

平成29年・認知症により在留期間更新許可申請を失念、在日約48年6月で在留特別許可|出頭申告で定住者(3年)を得た事例(D類型許可第8事例)

2026/08/06

事例の概要

手続を失念したという一点で在留資格を失った方の事例です。平成29年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)許可第8事例で、結論は許可です。違反態様は不法残留、端緒は出頭申告です。在日期間は約48年6月に及び、違反期間は約3月にとどまります。刑事処分の欄は「無」で、被退去強制歴の記載はありません。在留希望の理由は、本邦に生活基盤があることでした。特記事項には、認知症により在留期間更新許可申請を失念したものと記されています。許可内容は定住者(3年)です。同じ年のD類型では定住者(1年)の許可が目立つ中で、在留期間が3年とされている点も特徴です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は令和5年改正入管法の施行(令和6年6月10日)前・改定前の判断です。

  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して不法滞在を申告したこと。
  • 積極要素・その他:約48年6月にわたる在留と、その間に築かれた生活の基盤や地域社会との関係。
  • 積極要素・その他:更新申請の失念が疾病に起因すること。第2の7が列挙する治療の必要性そのものとは異なりますが、違反状態が生じた経緯について本人の帰責性を減じる事情として実質的に考慮されたと読めます。
  • 消極要素・第2の5と第2の6:不法残留と約3月の不法在留。期間はごく短く、比重は限られます。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。本事例は、48年を超える在留に対して違反期間が約3月にとどまり、しかもその原因が疾病による失念でした。同じ平成29年D類型の不許可第1事例も本邦の生活基盤を理由に挙げ、在日約14年でしたが、自己の経営する飲食店で「短期滞在」等の在留資格の外国人をホステスとして稼働させ、罰金50万円の略式命令を受けて不許可です。違反状態の生じ方が結論を大きく分けています。

弁護士のコメント

刑事処分のない事例です。2点を述べます。

第1に、失念の原因の立証です。診断書や通院の記録、日常の支援者の関わり、成年後見等の制度の利用状況が、単なる不注意ではないことを示す資料になります。判断能力が低下した状態では、期限の管理そのものが本人には難しくなります。

第2に、動く時期です。更新の期限を過ぎた場合、違反期間が短いうちに手続へ入ることが有利に働きます。本事例の違反期間は約3月です。ご家族が気づいた時点で早期に相談し、出頭の準備と資料の収集を進めることが望ましいところです。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集が掲載するのは各年20件前後にとどまります。ご自身と同じ経緯の許可例が見当たらないとしても、それは可能性がないことを示しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者については、証拠の徹底した分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しております。裁判員裁判の対象事件や報道された重大事件にも多数対応しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至りますので、起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

更新の期限を過ぎてしまった場合でも、経緯を示す資料をそろえて早く動くことに意味がございます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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