舟渡国際法律事務所

平成29年・親子関係不存在審判の確定で遡って日本国籍を喪失、出頭申告で在留特別許可|在日約9年5月・定住者(1年)の事例(D類型許可第6事例)

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平成29年・親子関係不存在審判の確定で遡って日本国籍を喪失、出頭申告で在留特別許可|在日約9年5月・定住者(1年)の事例(D類型許可第6事例)

平成29年・親子関係不存在審判の確定で遡って日本国籍を喪失、出頭申告で在留特別許可|在日約9年5月・定住者(1年)の事例(D類型許可第6事例)

2026/08/06

事例の概要

自分の行為とは関わりなく在留の資格を失った方の事例です。平成29年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)許可第6事例で、結論は許可です。違反態様は不法入国、端緒は出頭申告です。在日期間は約9年5月で、うち今次入国以降が約9月、違反期間も今次入国以降の約9月です。刑事処分の欄は「無」で、被退去強制歴の記載はありません。在留希望の理由は、本邦に生活基盤があることでした。特記事項には、戸籍上の日本人父との親子関係不存在審判の確定により、遡って日本国籍を喪失したものと記されています。許可内容は定住者(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は令和5年改正入管法の施行(令和6年6月10日)前・改定前の判断です。

  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して申告したこと。
  • 積極要素・その他:本邦に生活の基盤があること。在日期間は約9年5月に及びます。
  • 積極要素・その他:国籍を失った原因が審判の確定という本人の行為とは無関係な事情であること。審判の確定によって国籍が遡って失われた結果、それまで日本人として行われた入国が不法入国として扱われる構造になったと読めます。本人の帰責性がない点は実質的に考慮されたと考えられます。
  • 消極要素・第2の5と第2の6:不法入国という態様と、今次入国以降約9月の不法在留。期間は短く、比重は限られます。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。本事例で天秤を傾けたのは、違反状態が生じた原因に本人の関与がまったくないことと、生活の基盤が本邦にあることであったと読めます。同じ平成29年D類型の不許可第3事例は、在日約1年1月で刑事処分もありませんが、留学の在留資格で在留中に除籍された上、他人名義の在留カードを警察官に提示して逮捕されました。不法な状態が生じた原因に本人の関与があるかどうかが分かれ目と読めます。

弁護士のコメント

刑事処分のない事例です。2点を述べます。

第1に、身分関係の資料です。審判の裁判書と確定に関する資料、戸籍の記載の変動、出生から現在までの居住の経過が中心になります。国籍の得喪の経緯は書面で追える事柄ですので、時系列で整理して提出することが有効です。

第2に、申告の時期と態勢です。国籍を失ったことが判明した時点で在留の資格の問題が生じますので、放置する期間が長引くほど第2の5の消極要素が積み上がります。早期に方針を決め、出頭の準備と資料の収集を並行して進めるのが望ましいところです。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表事例は各年20件前後の抜粋にとどまります。似た経緯の許可例が見当たらないとしても、可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの在留資格を失った事案では、一旦不受理とされた婚姻と認知を憲法的観点から当局と交渉して成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至りますので、起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

身分関係の変動で在留の資格を失った場合、経緯に関与がないことを示せるかが要点になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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