舟渡国際法律事務所

平成29年・親族の手配で幼少時に不法入国、在日約24年で在留特別許可|出頭申告により定住者(1年)を得た事例(D類型許可第3事例)

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平成29年・親族の手配で幼少時に不法入国、在日約24年で在留特別許可|出頭申告により定住者(1年)を得た事例(D類型許可第3事例)

平成29年・親族の手配で幼少時に不法入国、在日約24年で在留特別許可|出頭申告により定住者(1年)を得た事例(D類型許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

自分の判断で来日したのではない方が、24年後に自ら名乗り出た事例です。平成29年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)許可第3事例で、結論は許可です。違反態様は不法入国、端緒は出頭申告です。在日期間と違反期間はいずれも約24年で、生活のほぼ全部が不法な在留の中で営まれてきたことになります。刑事処分の欄は「無」で、被退去強制歴の記載はありません。在留希望の理由は、本邦に生活基盤があることでした。特記事項には、親族らの手配により幼少時に不法入国したものと記されています。許可内容は定住者(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は令和5年改正入管法の施行(令和6年6月10日)前・改定前の判断です。

  • 積極要素・第2の9:自ら出入国在留管理官署に出頭して不法滞在を申告したこと。許可事例の多くがこの端緒です。
  • 積極要素・その他:約24年にわたり本邦で生活を営み、生活の基盤が本邦にしかない状態です。
  • 積極要素・その他:不法入国が幼少時であり、親族らの手配によるものであったこと。違反状態が生じた経緯に本人の判断が働いていない点は、実質的に有利に考慮されたと読めます。
  • 消極要素・第2の5:約24年という不法在留の長さ。長期化が明示的な消極要素とされたのは令和6年改定であり、同じ事情が現在では従前より重く見られる可能性があります。
  • 消極要素・第2の6:不法入国という態様。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。24年という期間は消極にも働き得ますが、本事例ではその期間がそのまま生活基盤の厚みでもあり、しかも違反状態の始まりに本人の関与がありませんでした。同じ平成29年D類型の不許可第2事例は、在日約17年6月と生活基盤は長いものの、違法薬物の売買により懲役3年6月・罰金20万円の判決を受けて不許可です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。

弁護士のコメント

刑事処分のない事例です。2点を述べます。

第1に、経緯の立証です。入国の時期と当時の年齢、手配した親族との関係、その後の居住と就学や就労の経過を、時系列で示す資料が要になります。本人の記憶に頼るだけでなく、第三者の証言や記録で裏付けられるかどうかが評価を分けます。

第2に、出頭申告の準備です。出頭は積極要素になりますが、同時に退去強制手続が始まります。生活基盤を示す資料をあらかじめ整え、違反審査の段階から提出することが望ましく、令書発付後の事情変更は原則として考慮されません(注4)。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋にとどまります。同じ事情の許可例が見つからないことは、可能性がないことを示しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

国際刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件にも対応してまいりました。中国籍の方の重大事件にも多数携わっております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至りますので、起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

幼い頃の入国の経緯は、ご本人にとって選べなかった事情です。それを資料で示せるかが要点になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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