舟渡国際法律事務所

平成29年・職員探知で発覚した不法残留約11年5月でも在留特別許可|日本国籍の実子を監護養育し定住者(1年)を得た事例(D類型許可第1事例)

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平成29年・職員探知で発覚した不法残留約11年5月でも在留特別許可|日本国籍の実子を監護養育し定住者(1年)を得た事例(D類型許可第1事例)

平成29年・職員探知で発覚した不法残留約11年5月でも在留特別許可|日本国籍の実子を監護養育し定住者(1年)を得た事例(D類型許可第1事例)

2026/08/06

事例の概要

自ら出頭したのではない発覚でも許可に至ることがあります。平成29年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)許可第1事例で、結論は許可です。違反態様は不法残留、端緒は職員探知です。在日期間は約11年6月、違反期間は約11年5月で、来日後ほどなくして在留が不法な状態になっています。刑事処分の欄は「無」で、被退去強制歴の記載はありません。在留希望の理由は、日本国籍を有する実子の監護養育と、内縁関係にある日本人があることでした。特記事項には、日本国籍を有する実子を監護養育していることが記されています。許可内容は定住者(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は令和5年改正入管法の施行(令和6年6月10日)前・改定前の判断です。

  • 積極要素・第2の2(1)(イ):未成年で未婚の日本人の実子を相当期間同居して監護養育していることは、特に考慮する積極要素です。本事例の中心はここにあります。
  • 積極要素:本邦で家族とともに生活するという子の利益の保護の必要性。明示は令和6年3月改定(参議院附帯決議14項)によります。
  • 第2の2(1)(ウ):日本人との法的な婚姻を前提とする要素です。内縁関係にとどまる本事例は、この要素には直接乗りません。
  • 消極要素・第2の5:約11年5月の不法在留。長期化が明示的な消極要素とされたのは令和6年改定です。
  • 消極要素・第2の6:不法残留。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。第2の9の出頭申告には当たりません。

結論を分けた一線はどこか

第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。本事例では、日本国籍の子を現に監護養育している実質が、11年を超える不法在留と、自ら出頭していないという事情を上回ったと読めます。同じ平成29年D類型の不許可第6事例は、在日約25年11月と生活の基盤はより長いものの、被退去強制歴1回と前科3件があり不許可でした。年月の長さではなく、素行と家族関係の実質が結論を分けています。

弁護士のコメント

刑事処分の欄が「無」の事例です。2点を述べます。

第1に、実子との関係の立証です。認知や戸籍の記載、住民票上の同居、生活費の負担、保育や通院に誰が付き添っているかといった具体的な事実の積み上げが、監護養育の実質を示します。

第2に、提出の時期です。退去強制手続は違反調査、違反審査、口頭審理、異議申出と進み、ガイドライン注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しません。摘発や探知で手続が始まった場合はなおのこと、早い段階での提出が求められます。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成29年分に掲載されたのは許可19件・不許可19件です。ご自身と同じ組合せが見当たらないとしても、可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦不受理とされた婚姻と認知を憲法的観点から当局と交渉して成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至りますので、起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

日本国籍のお子さんを育てておられる場合、その実質をどう示すかが判断の中心になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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