舟渡国際法律事務所

平成29年・子がなく婚姻約1年4月でも在留特別許可|配偶者が「永住者」・不法残留約1年8月・出頭申告の事例(B類型許可第3事例)

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平成29年・子がなく婚姻約1年4月でも在留特別許可|配偶者が「永住者」・不法残留約1年8月・出頭申告の事例(B類型許可第3事例)

平成29年・子がなく婚姻約1年4月でも在留特別許可|配偶者が「永住者」・不法残留約1年8月・出頭申告の事例(B類型許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

夫婦間に子がいなくても許可されることがあります。平成29年分事例集のB類型(配偶者が正規に在留する外国人の場合)許可第3事例は、この年のB類型許可4件のうち子がいない唯一の事例です。

違反態様は不法残留、端緒は出頭申告です。在日期間は約4年8月、うち違反期間は約1年8月で、この年のB類型許可事例では最も短い期間です。婚姻期間は約1年4月、夫婦間に子はありません。配偶者は在留資格「永住者」です。刑事処分はなく、被退去強制歴は記載からは判明しません。許可内容は「永住者の配偶者等(1年)」でした。本件は令和5年改正入管法及び現行ガイドライン(令和6年3月改定)の適用前の判断です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(2)(積極・中核):別表第二の在留資格者との家族関係で、(1)に準じるもの。配偶者の「永住者」は別表第二の在留資格です。準用される(1)(ウ)は「夫婦間に子があるなど婚姻が安定かつ成熟していること」を求めますが、子の存在は例示ですから、子がいないことでこの要素が失われるわけではありません。
  • 第2の9(積極):不法滞在の事実を申告するため自ら出頭したこと。
  • 第2の5(消極):約1年8月の不法在留。期間としては短い部類です。
  • 第2の6(消極):不法残留という態様。不法入国よりは軽く評価されやすい類型です。

素行不良(第2の3)に当たる記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

同年のB類型不許可第4事例と並べると、期間の数字が結論を決めないことが分かります。そちらは不法残留で端緒も出頭申告、違反期間は約5月と本件よりさらに短く、婚姻期間は約4年4月と本件より長いのですが、被退去強制歴1回があり、婚姻・同居の実態にも疑義がもたれて不許可でした。

本件で天秤を傾けたのは、配偶者が別表第二の在留資格を有し、婚姻の実態に疑義がもたれなかったこと、そして被退去強制歴という消極事情がなかったことだと読めます。子の不在は、この組合せの前では決定的な弱点にならなかったと考えられます。

弁護士のコメント

第1に、子がいない事案の立証です。この類型では、婚姻の安定性と成熟性を子以外の事情で示すことになります。同居の期間と連続性、家計の一体性、双方の親族との交流、共同で行っている生活上の手続などを、時期の切れ目がないように整理して示すことが要になります。何が必要かは事案ごとに異なりますので、一般的な整理としてお読みください。

第2に、配偶者の在留資格の位置づけです。ガイドライン第2の2(2)が特に考慮するのは別表第二の在留資格者との家族関係です。配偶者が留学、家族滞在、技術・人文知識・国際業務といった別表第一の在留資格である場合、この積極要素には直接当たりません。ご相談の初期の段階で、配偶者の在留資格と在留期間、更新の見込みまで確認しておくことが、方針の立て方を変えます。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表事例だけを見て可能性を判断しない、という点も申し添えます。事例集は各年20件前後の抜粋にとどまり、実際の許可件数のごく一部です。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としております。

特殊詐欺の出し子とされた20代女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在等を総合的に主張し、不起訴処分を獲得しております。

観光目的で来日された方が在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案では、婚姻と認知を当局との交渉により成立させ、過去の許可事例を分析した上で1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となりますので、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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