舟渡国際法律事務所

平成29年・配偶者が「永住者」で在留特別許可|不法入国約17年9月・婚姻約1年5月・子は「永住者の配偶者等」の事例(B類型許可第1事例)

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平成29年・配偶者が「永住者」で在留特別許可|不法入国約17年9月・婚姻約1年5月・子は「永住者の配偶者等」の事例(B類型許可第1事例)

平成29年・配偶者が「永住者」で在留特別許可|不法入国約17年9月・婚姻約1年5月・子は「永住者の配偶者等」の事例(B類型許可第1事例)

2026/08/06

事例の概要

家族の中で自分だけが在留資格を持たない、という状況で許可された事例です。平成29年分事例集のB類型(配偶者が正規在留外国人の場合)許可第1事例です。

違反態様は不法入国、端緒は出頭申告です。在日期間は約17年9月で、違反期間も同じですから、来日から判定まで一貫して不法な在留でした。婚姻期間は約1年5月です。配偶者は在留資格「永住者」で、夫婦間の未成年の子は在留資格「永住者の配偶者等」を有しています。刑事処分はなく、被退去強制歴は記載からは判明しません。許可内容は「永住者の配偶者等(1年)」です。本件は令和5年改正入管法及び現行ガイドライン(令和6年3月改定)の適用前の判断です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(2)(積極・中核):別表第二の在留資格者との家族関係で、(1)に準じるもの。永住者・特別永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者がこれに当たります。本件は配偶者が「永住者」、子が「永住者の配偶者等」で、いずれも別表第二です。
  • 子の利益(積極):本邦で家族とともに生活するという子の利益。子は既に在留資格を有し、生活の基盤が本邦にあることが明確です。明示は令和6年3月改定によります。
  • 第2の9(積極):自ら出頭して申告したこと。
  • 第2の5(消極):約17年9月の不法在留。長期化が明示的に消極要素とされたのも令和6年改定です。
  • 第2の6(消極):不法入国という態様。

結論を分けた一線はどこか

同年のB類型不許可第2事例と比べると差が見えます。そちらも不法入国で端緒は出頭申告、在日約15年4月・違反約15年4月と期間の構成は近いものの、婚姻約8月で子はなく、被退去強制歴が2回あり、婚姻・同居の実態にも疑義がもたれて不許可でした。配偶者の在留資格は記載がなく、別表第二か否かも確認できません。

本件で天秤を傾けたのは、配偶者と子がいずれも別表第二の在留資格を有し、家族としての生活が本邦で完結していたことだと読めます。約17年9月という不法在留の長さを、この家族関係が上回ったと考えられます。

弁護士のコメント

第1に、B類型では配偶者の在留資格の確認が出発点です。ガイドライン第2の2(2)が特に考慮するのは、別表第二の在留資格者との家族関係です。配偶者が技術・人文知識・国際業務、留学、家族滞在、経営・管理といった別表第一の在留資格である場合、この積極要素には直接当たりません。同じ「配偶者が正規在留の外国人」でも、構造上の有利不利がここで分かれます。

第2に、資料の揃え方です。配偶者の在留カードと在留資格の履歴、子の在留資格を示す資料、住居と家計が一体であることを示す資料は、違反審査の段階までに出しておきたいものです。ガイドライン注4は退去強制令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしており、後の段階では取り返しがつきにくくなります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成29年分の事例集に載るのは許可19件・不許可19件で、実際の判断のごく一部です。公表事例に自分と同じ組合せがないことは、可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦不受理とされた婚姻と認知を憲法的観点から当局と交渉して成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

不法就労助長罪に問われた女性の事案では、退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を問う訴訟を進めており、この事件でも在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となりますので、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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