舟渡国際法律事務所

平成29年・在日約30年11月・不法残留約23年1月で不許可|被退去強制歴2回と婚姻約8月の実態への疑義(A類型不許可第3事例)

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平成29年・在日約30年11月・不法残留約23年1月で不許可|被退去強制歴2回と婚姻約8月の実態への疑義(A類型不許可第3事例)

平成29年・在日約30年11月・不法残留約23年1月で不許可|被退去強制歴2回と婚姻約8月の実態への疑義(A類型不許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

在日期間が30年を超え、自ら出頭もしている。それでも不許可となりました。平成29年分事例集のA類型(配偶者が日本人の場合)不許可第3事例です。

違反態様は不法残留、端緒は出頭申告です。在日期間は約30年11月で、この年のA類型で最も長く、違反期間は約23年1月に及びます。日本人配偶者との婚姻期間は約8月で、夫婦間に子はなく、刑事処分もありません。被退去強制歴が2回あります。事例集は不許可の事情として婚姻・同居の実態への疑義と被退去強制歴2回を挙げます。

本件は令和5年改正入管法及び現行ガイドライン(令和6年3月改定)の適用前の判断です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の9(積極):不法滞在の事実を申告するため自ら出頭したこと。本件にもこの要素はあります。
  • 第2の5(消極):約23年1月の不法在留。長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定ですが、従前も消極方向で評価され得ました。
  • 第2の6(消極):退去強制理由となった事実。被退去強制歴2回は、同種の違反の繰り返しとして重く評価されます。
  • 第2の2(1)(ウ)(当たらないと判断された):婚姻約8月では相当期間の共同生活と評価されにくく、加えて実態に疑義がもたれています。子もいません。

結論を分けた一線はどこか

長期滞在それ自体で結論が決まるわけではありません。同年の許可第2事例は、不法入国で在日約19年・違反約19年、婚姻約1年7月、夫婦間に子もなしで許可されています。数字だけを並べれば本件と近い形です。

分かれたのは2点です。第1に被退去強制歴です。一度送還されながら再び違反状態に至ったことは、積極要素で埋めにくい消極要素です。第2に婚姻の実態です。約8月という短さと実態への疑義が重なり、家族関係の積極要素がほとんど機能しませんでした。出頭申告の積極要素は残るものの、ガイドライン第3の「明らかに上回る」状態には届かなかったと考えられます。なお原典の注記によれば、これらの期間は判定までのものです。

弁護士のコメント

第1に、被退去強制歴がある方の見通しです。送還後は一定期間、上陸を拒否される扱いとなります。その期間中の再入国や、期間経過後の在留資格を伴わない入国は、それ自体が新たな違反となり、過去の経歴と併せて評価されます。この経緯は後から動かせないため、現在の家族関係や生活の基盤をどこまで具体的に示せるかが勝負になります。

第2に、婚姻の時期と立証です。手続が進んだ後に婚姻が成立した事案では、当局は婚姻の動機に注意を向けます。交際の経緯、婚姻に至るまでの生活の記録、双方の家族の関与といった客観的な材料を、時系列に沿って示す準備が必要です。令和6年改定で不法在留期間の長期化が明示的な消極要素となったことも踏まえると、現在の判断では負担はさらに重くなり得ます。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

一言付け加えます。事例集の掲載は各年20件前後にとどまり、その年の判断を網羅していません。公表事例に自分と同じ事情の許可例がないことは、可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、なお違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦不受理とされた婚姻と認知を憲法的観点から当局と交渉して成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、取調べへの対応を徹底し、全件について不起訴処分を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となりますので、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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