舟渡国際法律事務所

平成29年・在留期間更新許可申請の失念による不法残留約7月で在留特別許可|婚姻約6年11月・未成年の子1人で「日本人の配偶者等(3年)」を得た事例(A類型許可第4事例)

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平成29年・在留期間更新許可申請の失念による不法残留約7月で在留特別許可|婚姻約6年11月・未成年の子1人で「日本人の配偶者等(3年)」を得た事例(A類型許可第4事例)

平成29年・在留期間更新許可申請の失念による不法残留約7月で在留特別許可|婚姻約6年11月・未成年の子1人で「日本人の配偶者等(3年)」を得た事例(A類型許可第4事例)

2026/08/06

事例の概要

更新の手続を忘れていた、というだけで在留資格を失うことがあります。平成29年分事例集(平成30年3月公表)のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第4事例は、その類型です。

違反態様は不法残留、端緒は出頭申告で、事例集は「在留期間更新許可申請を失念したもの」と明記します。在日期間は約6年11月で、日本人配偶者との婚姻期間も同じ約6年11月、違反期間は約7月にとどまります。夫婦間に未成年の子が1人います。刑事処分はなく、被退去強制歴は記載からは判明しません。許可内容は「日本人の配偶者等(3年)」で、平成29年のA類型で3年が付与された唯一の事例です。

本件は令和5年改正入管法及び現行ガイドライン(令和6年3月改定)の適用前の判断です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(1)(ウ)(積極):日本人との法的な婚姻、相当期間の共同生活、相互の扶助、夫婦間の子。婚姻約6年11月に未成年の子が加わり、厚い形で備わっています。
  • 第2の2(1)(イ)(積極の可能性):未成年で未婚の日本人の実子を相当期間同居して監護養育していること。子が日本国籍を有するときは(ウ)と重ねて働き得ますが、子の国籍と就学状況は記載がありません。
  • 第2の9(積極):自ら出頭して申告したこと。
  • 第2の6(消極として軽い):退去強制理由の反社会性。更新申請の失念による不法残留は、この点が最も軽い部類です。
  • 第2の5(消極として軽い):不法在留期間が約7月にとどまります。

結論を分けた一線はどこか

婚姻期間の長さそれ自体が決め手ではありません。同年A類型の不許可第4事例は、在日約11年11月、婚姻約10年で、婚姻期間は本件より長いのですが、商標法違反による有罪判決、同法違反の前科1件、被退去強制歴3回、婚姻・同居の実態への疑義が重なり、不許可でした。

本件で天秤を傾けたのは、婚姻期間と在日期間が一致し来日以来の生活が一貫して婚姻生活であったこと、そして違反が手続の失念に起因し反社会性を伴わないことだと読めます。3年の在留期間が付与された点にも、家族生活の安定性への評価が表れています。

弁護士のコメント

第1に、失念に気づいた後の動き方です。在留期間が切れた事実は時間の経過では回復せず、放置すれば不法在留期間が伸びて第2の5の消極要素が積み上がります。他方、自ら出頭すれば第2の9の積極要素が立ちます。どの資料を揃えていつ出頭するかは、相談して決める判断です。

第2に、子の事情の位置づけです。夫婦間の子が日本国籍を有し本邦の学校で学んでいる場合、第2の2(1)(イ)(ウ)の家族関係に加え、本邦の初等中等教育機関で相当期間教育を受けた子とその監護養育者を積極要素とする第2の2(3)、令和6年改定で明示された子の利益の保護の必要性が重なります。通学の継続は、家族生活が本邦に根を張っていることを示す材料です。子の状況は記載からは判明しません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

誤解されやすい点を補います。事例集は各年20件前後の抜粋で、許可事案の一覧ではありません。同種の許可例が見つからないことは、可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦不受理とされた婚姻と認知を憲法的観点から当局と交渉して成立させ、過去の許可事例を分析した上で1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

特殊詐欺の出し子とされた20代女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在等を主張し、不起訴処分を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となりますので、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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