舟渡国際法律事務所

平成30年・住居侵入・窃盗で懲役2年、同種の前科もあり不許可|在日約17年3月の生活基盤でも許可されなかった事例(D類型不許可第3事例)

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平成30年・住居侵入・窃盗で懲役2年、同種の前科もあり不許可|在日約17年3月の生活基盤でも許可されなかった事例(D類型不許可第3事例)

平成30年・住居侵入・窃盗で懲役2年、同種の前科もあり不許可|在日約17年3月の生活基盤でも許可されなかった事例(D類型不許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

同種の犯行を繰り返した場合の帰趨を示す事例です。平成30年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)不許可第3事例で、結論は不許可です。違反態様は刑罰法令違反、端緒は警察による逮捕で、在日約17年3月です。違反期間の欄は原典で斜線が引かれています。刑事処分は、住居侵入、窃盗により懲役2年の判決です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。事例集はさらに、住居侵入、窃盗により懲役2年6月、執行猶予4年の判決を受けた前科を挙げています。在留希望の理由は、本邦に生活基盤があることです。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前・改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 消極要素・第2の6:住居侵入と窃盗という財産犯で、同種の前科がありながらの再度の犯行です。退去強制の理由となった事実の反社会性の程度は高いと評価されます。
  • 入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由とし、全部執行猶予の場合を除きます。今回の判決は執行猶予の記載がなく、この号に当たると読めます。前科の判決は全部執行猶予付きで、当時はこの号に当たりませんでした。
  • 積極要素・その他:在日約17年3月の生活基盤。もっとも、その年月の中に同種の前科が含まれています。
  • 第2の9の出頭申告には当たりません(端緒は警察による逮捕)。
  • 家族関係(第2の2)や人道上の配慮(第2の7)に当たる記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

決定的だったのは、財産犯の前科がありながら同種の犯行を繰り返し、今回は執行猶予によらない判決に至ったことであると読めます。同年D類型の許可第6事例は、在日約27年9月・違反約27年8月と不法在留はさらに長いのですが、刑事処分がなく、高齢で本国に身寄りがないという人道上の事情があり、自ら出頭して定住者(1年)が認められました。年月の長さではなく、退去強制の理由となった事実の重さが分かれ目です。

弁護士のコメント

刑事処分がある事例です。2点を述べます。

第1に、不起訴処分の獲得という目標です。窃盗や住居侵入は、被害の回復や示談の成否によって処分が分かれ得る罪名です。仮に刑事段階で不起訴処分を獲得できていれば、入管法24条4号リの該当性そのものを生じさせずに済んだ可能性があります。もっとも同種の前科がある事案では見通しは容易ではありません。重要なのは、執行猶予の獲得を最終目標に据えないことです。

第2に、前科がある場合の組み立てです。前科は動かせませんので、その後の生活状況の変化、被害の弁償、就労と生計、支援者の存在を示すほかありません。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しませんから、違反審査までに揃えます。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋にとどまります。実刑判決を受けた類型に許可例が見当たらないとしても、それは許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

特殊詐欺の受け子とされ再逮捕を重ねた事案では、取調べへの対応を徹底し、不当な取調べには抗議を行って、全件不起訴処分を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

財産犯では、刑事段階での処分の分かれ方が入管手続の見通しをそのまま左右いたします。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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