舟渡国際法律事務所

平成30年・高齢で本国に身寄りがなく在日約27年9月、出頭申告して定住者(1年)|不法残留約27年8月でも在留特別許可(D類型許可第6事例)

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平成30年・高齢で本国に身寄りがなく在日約27年9月、出頭申告して定住者(1年)|不法残留約27年8月でも在留特別許可(D類型許可第6事例)

平成30年・高齢で本国に身寄りがなく在日約27年9月、出頭申告して定住者(1年)|不法残留約27年8月でも在留特別許可(D類型許可第6事例)

2026/08/06

事例の概要

帰国後の生活の見通しが正面から評価された事例です。平成30年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)許可第6事例で、結論は許可です。違反態様は不法残留、端緒は出頭申告です。在日期間は約27年9月、違反期間は約27年8月で、両者はわずかに一致しません。在留希望の理由は、本邦に生活基盤があることです。特記事項には、高齢であり本国に身寄りがないことが記されています。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。許可内容は定住者(1年)です。家族関係についての記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前・改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・第2の7:人道上の配慮として列挙されるのは、難病等での治療の必要性、本国情勢による帰国困難、無国籍で送還できないことです。高齢で本国に身寄りがないことは列挙そのものには当たりませんが、帰国後の生活の見通しが立たないという人道上の事情として考慮されたと読めます。
  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して申告したこと。
  • 積極要素・その他:約27年9月にわたる本邦での生活基盤と地域社会との関係。
  • 消極要素・第2の5:不法在留約27年8月。長期化が明示的な消極要素とされたのは令和6年改定であり、現行ガイドラインの下では評価がより厳しくなる可能性があります。他方、その間に築いた関係を積極要素として考慮する留保も置かれています。
  • 消極要素・第2の6:不法残留。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

27年を超える不法在留という重い消極要素を抱えながら許可されています。決定的だったのは、高齢で本国に身寄りがないという帰国後の生活の見通しに関わる事情と、自ら出頭したことであると読めます。同年D類型の不許可第1事例は、在日約17年3月・違反約13年3月と本事例より短いものの、他人名義の旅券で不法入国し偽装日系人として在留していた事案でした。長期在留それ自体ではなく、その年月の中身と発覚の端緒が分かれ目です。

弁護士のコメント

刑事処分のない事例です。2点を述べます。

第1に、長期化の評価が改定で変わった点です。令和6年3月改定で不法在留期間の長期化が明示的な消極要素と位置づけられましたので、同種の事情でも現在の評価は変わり得ます。もっとも、その年月に築いた地域社会との関係を積極要素として示す道は残されております。

第2に、ご高齢の方の場合の立証です。本国に身寄りがないこと、本邦で身元を引き受けてくださる方の存在、医療や介護の必要、生計の見通しを、公的な記録や第三者の陳述で裏付けることが要点となります。年齢だけを述べても評価には結びつきません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集が載せるのは各年20件前後にとどまり、その年の判断の全部ではありません。高齢の方の許可例が見当たらないとしても、それは許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

卸業を営む依頼者が取り込み詐欺の被害に遭った事案では、刑事告訴を端緒に相手方を特定し、7,500万円の解決金を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

帰国後の生活が成り立たない事情は、公的な記録と第三者の裏付けを伴って初めて評価に結びつきます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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