舟渡国際法律事務所

平成30年・病気療養中で出国が困難と認められ特定活動(1年)|不法入国から約20年11月でも在留特別許可(D類型許可第3事例)

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平成30年・病気療養中で出国が困難と認められ特定活動(1年)|不法入国から約20年11月でも在留特別許可(D類型許可第3事例)

平成30年・病気療養中で出国が困難と認められ特定活動(1年)|不法入国から約20年11月でも在留特別許可(D類型許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

治療の必要が在留を支えた事例です。平成30年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)許可第3事例で、結論は許可です。違反態様は不法入国、端緒は出頭申告で、在日期間と違反期間はいずれも約20年11月です。在留希望の理由は、本邦で病気治療を受けたいこと、および本邦に生活基盤があることです。特記事項には、病気療養中であり出国が困難であると認められることが記されています。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。許可内容は特定活動(1年)です。症状の詳細には立ち入りません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前・改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・第2の7(1):難病等により本邦での治療を必要とすることが、人道上の配慮として挙げられています。本事例は、出国が困難であると認められた点を含め、この要素の中核に当たると読めます。
  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して申告したこと。
  • 積極要素・その他:約20年11月にわたる本邦での生活基盤と、地域社会との関係の構築。
  • 消極要素・第2の5:不法在留約20年11月。長期化が明示的な消極要素と位置づけられたのは令和6年改定であり、現行ガイドラインの下では、この点の評価がより厳しくなる可能性があります。
  • 消極要素・第2の6:不法入国。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

20年を超える不法在留という重い消極要素があるにもかかわらず許可されています。決定的だったのは、療養中で出国が困難と認められたことであると読めます。許可内容が定住者ではなく特定活動(1年)である点からは、治療の必要という事情に対応した地位が与えられたことがうかがえます。同年D類型の許可第7事例は、在日約60年で病気療養中の方に永住者の配偶者等(1年)が認められており、家族関係を基礎とする地位との違いが表れています。

弁護士のコメント

刑事処分のない事例です。2点を述べます。

第1に、治療の必要をどう示すかです。診断や治療の経過に関する資料、本国での治療の可否、移動そのものが身体に与える影響について、医療機関の判断を書面で得ておくことが要点となります。抽象的に治療を続けたいと述べるだけでは足りません。

第2に、与えられた地位の性質です。特定活動は、治療の必要という事情に対応して与えられた地位と読めますので、事情の推移によって更新の見通しが変わり得ます。更新の場面に備え、療養の継続と生活の状況を記録として残しておくことが望ましいところです。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集に載るのは各年20件前後にとどまります。同じ症状や同じ期間の許可例が見当たらないとしても、それは許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

在留資格を失った相談者が不法滞在で身柄を拘束された事案では、婚姻と認知の手続上の障害を当局との交渉によって解消し、刑事裁判での立証も見据えて資料を整え、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

療養の必要を理由とする場合、その必要性を医療の裏付けとともに示せるかが結論を左右いたします。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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