舟渡国際法律事務所

平成30年・在留資格変更が不許可となった後、出国準備期間内に出国せず|出頭申告し2歳の子がいても許可されなかった事例(C類型不許可第1事例)

お問い合わせはこちら

平成30年・在留資格変更が不許可となった後、出国準備期間内に出国せず|出頭申告し2歳の子がいても許可されなかった事例(C類型不許可第1事例)

平成30年・在留資格変更が不許可となった後、出国準備期間内に出国せず|出頭申告し2歳の子がいても許可されなかった事例(C類型不許可第1事例)

2026/08/06

事例の概要

正規の在留から不法残留に転じた場面を扱った例です。平成30年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のC類型(外国人家族の場合)不許可第1事例で、結論は不許可です。本人の違反態様は不法残留、端緒は出頭申告で、在日約10年10月・違反約8月です。配偶者も不法残留で、在日約5年1月・違反約8月です。子は本邦で出生した後に不法残留となり、違反期間は約8月、2歳とされています。事例集が不許可の事情として挙げるのは、在留資格変更許可申請が許可されず、その後に出国準備期間として認められた在留期限内に出国しなかったことです。刑事処分の記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前・改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して申告したことに当たります。有力な積極要素ですが、これがあれば当然に許可されるものではありません。
  • 積極要素・第2の2(3):子は2歳で、本邦の初等中等教育機関での就学が問題となる段階にはありません。
  • 積極要素:家族とともに生活する子の利益の保護の必要性(令和6年3月改定で明示)。もっとも家族3人がいずれも在留資格を有せず、本邦で家族が一体として生活を続けるべき事情の記載はありません。
  • 消極要素・第2の6:不法残留。加えて、出国準備期間として認められた在留期限内に出国しなかった経緯は、与えられた措置に従わなかったものと評価されます。
  • 消極要素・第2の5:不法在留は約8月と短期で、重い消極要素ではありません。

結論を分けた一線はどこか

第3の判断手法では、積極要素が消極要素を明らかに上回ることを要します。決定的だったのは、在留資格変更が認められず、出国準備期間まで与えられたのに出国しなかった経緯であると読めます。手続に従う機会が与えられていた点で、当初から在留資格のない状態が続いていた事案とは評価が異なります。同年C類型の許可第1事例は、母子で出頭申告し、子は11歳で本邦での生活を積み上げていました。子の年齢と本邦での年月の厚みが分かれ目であったと考えられます。

弁護士のコメント

刑事処分の記載がない事例です。2点を述べます。

第1に、出国準備期間の位置づけです。この期間が何のために与えられたものかを正確に把握しておくことが要点です。本邦での在留を求めるのであれば、変更申請の段階から積極要素の裏付けを提出し、不許可となった場合の道筋まで見通しておく必要がございます。

第2に、退去強制手続の三審構造です。違反調査、違反審査による認定、口頭審理による判定、異議申出という流れで進み、在留特別許可は最後の段階の判断です。そこで初めて動いても間に合わず、注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集に載るのは各年20件前後にとどまり、その年の判断の全部ではありません。不許可事例に自分と近い事情が並んでいても、それだけで結論が決まるわけではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分そのものの取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

在留資格を失って不法滞在となり逮捕・起訴された相談者の事案では、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況の中で有利な資料を集め、当局と交渉して婚姻と認知を成立させたうえ、過去の許可事例を分析し、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

変更や更新が認められなかった局面では、出国準備期間の意味を正確に理解した上での判断が、その後の見通しを大きく左右いたします。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。