舟渡国際法律事務所

平成30年・配偶者が「永住者」で在留特別許可|子がなく不法残留約8年4月でも「永住者の配偶者等(1年)」が認められた事例(B類型許可第4事例)

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平成30年・配偶者が「永住者」で在留特別許可|子がなく不法残留約8年4月でも「永住者の配偶者等(1年)」が認められた事例(B類型許可第4事例)

平成30年・配偶者が「永住者」で在留特別許可|子がなく不法残留約8年4月でも「永住者の配偶者等(1年)」が認められた事例(B類型許可第4事例)

2026/08/06

事例の概要

夫婦間に子がいない場合はどうなるのか。平成30年分事例集B類型(配偶者が正規在留外国人)許可第4事例が参考になります。

違反態様は不法残留、端緒は出頭申告です。在日期間は約8年7月、違反期間は約8年4月で、正規の在留は3月ほどでした。婚姻期間は約1年6月、夫婦間に子はありません。配偶者は在留資格「永住者」です。刑事処分はなく、被退去強制歴は判明しません。許可内容は「永住者の配偶者等(1年)」で、同年のB類型許可4件のうち子がなく許可資格が「定住者」でない唯一の事例です。本件は令和5年改正入管法及び現行ガイドライン(令和6年3月改定)の適用前の判断です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(2)(積極・中核):別表第二の在留資格者との家族関係で(1)に準ずるもの。「永住者」は別表第二です。子がなくとも、(1)(ウ)の「夫婦間に子があるなど」は例示ですから、共同生活と相互扶助の実体が認められればこの要素は立ち得ます。
  • 第2の9(積極):自ら出頭したこと。
  • 第2の5(消極):約8年4月の不法在留。長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定です。
  • 第2の6(消極):不法残留という該当事実。

刑罰法令違反や素行不良(第2の3)の記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

同年のB類型不許可第3事例は、婚姻約5年1月と本件の3倍以上長いのに不許可でした。そちらは自己の経営する飲食店で「短期滞在」の外国人をホステスとして稼働させた不法就労助長の事案で、端緒は摘発、入管法違反により懲役10月、執行猶予3年、罰金120万円の判決です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。

本件は婚姻期間も短く子もありませんが、消極要素の側に刑罰法令違反がありません。天秤を傾けたのは、配偶者が「永住者」であること、自ら出頭したこと、素行に問題の記載がないことの組合せだと読めます。

弁護士のコメント

第1に、子がない事案での立証です。婚姻の安定性と成熟性は、子の有無だけで測られるものではありません。同居の期間と実態、家計の一体性、双方の親族との交流といった事情を、客観的な資料で示すことになります。以上は一般的な整理であり、具体的な組合せは事案ごとに検討を要します。

第2に、許可された在留資格の意味です。配偶者の在留資格が別表第二のどれであるかは、第2の2(2)の当てはめだけでなく、許可される在留資格の種類にも反映されます。配偶者が別表第一の在留資格である場合は、第2の2(2)に直接当たらないため組み立て自体を変える必要があります。この点は違反審査の段階で見立てておくべきで、注4により令書発付後の事情変更は原則として考慮されません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

子がいないという一点で諦める必要はありません。本件はそれを示す公表事例です。加えて事例集は年20件前後の抜粋です。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

不法就労助長罪に問われた女性の事案では、退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を問う訴訟を進めており、この事件でも在留特別許可を獲得しております。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議により、全件不起訴処分を獲得しております。

執行猶予判決を得ても多くの罪名では結果として退去強制となりますので、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。接見の初動から公判の結審まで松村弁護士自身が全工程を直接担当し、依頼者ご本人のために動く立場の中国語専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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