舟渡国際法律事務所

令和元年・在留期間更新許可申請を失念して不法残留、違反約5月で経営・管理(1年)|在日約22年7月の事業者に在留特別許可(D類型許可第3事例)

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令和元年・在留期間更新許可申請を失念して不法残留、違反約5月で経営・管理(1年)|在日約22年7月の事業者に在留特別許可(D類型許可第3事例)

令和元年・在留期間更新許可申請を失念して不法残留、違反約5月で経営・管理(1年)|在日約22年7月の事業者に在留特別許可(D類型許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

更新の申請を忘れていた、というだけで在留資格を失うことがあります。令和元年分事例集(出入国在留管理庁公表)のD類型(その他)許可第3事例は、そこから在留特別許可に至った例で、結論は許可です。違反態様は不法残留、端緒は出頭申告で、在日約22年7月・違反約5月。刑事処分はありません。在留希望の理由は、本邦に生活基盤があることでした。事例集は、在留期間更新許可申請を失念したものと特記しています。許可内容は経営・管理(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前の判断です。

  • 積極要素・第2の9:自ら出頭したこと。同項は別表第一の一の表・二の表の在留資格該当性を有することも積極要素とし、経営・管理(1年)が認められた点はこれが正面から評価されたと読めます。
  • 積極要素:在日約22年7月にわたる地域社会との関係の構築や納税の状況も、第2の9の周辺で考慮される事情です。
  • 消極要素・第2の5:不法在留は約5月と短期です。消極要素・第2の6:不法残留。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。
  • 第2の3の素行不良の記載はなく、刑事処分もありません。第2の2の家族関係については記載がありません。

結論を分けた一線はどこか

本件は、消極要素が違反期間約5月の不法残留にほぼ限られ、積極要素として在留資格該当性と自主的な出頭がそろっていました。積極要素が消極要素を明らかに上回る場合という基準に照らし、素直に許可の方向に傾いた事案と読めます。同じ令和元年D類型の不許可第6事例は、経営・管理で在留中に窃盗未遂で有罪判決を受けており、在留資格該当性の側面が同じでも素行の消極要素が加わると結論が変わることが分かります。

弁護士のコメント

刑事処分がない事例です。2点を述べます。

第1に、失念に気づいた後の動き方です。更新の期限を過ぎた時点で不法残留の状態が生じますが、期間が短いうちに自ら出頭すれば、消極要素を小さくとどめられます。逆に、摘発や職員の探知で発覚した場合には第2の9の積極要素を欠くことになります。気づいた時点での相談が結果を左右いたします。

第2に、在留資格該当性の立証です。経営・管理であれば、事業の継続性、事業所の実在、決算と納税の状況、従業員の雇用状況が中心の資料となります。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしていますので、違反審査の段階でそろえておくのが望ましいところです(内容は事案によります)。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は毎年20件前後を抜粋して掲載するにとどまります。単純な手続の失念であっても、また複雑な事情が絡む事案であっても、公表事例に同じものがないことは結論を意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人事件の刑事弁護と入管手続を主に扱っております。

特殊詐欺の出し子とされた20代の女性につき、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在を総合的に主張し、不起訴処分を獲得しております。

国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件への対応実績も有し、中国籍の方の重大事件にも多数対応してまいりました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

更新の失念に気づいた段階での初動が、その後の全体を決めてまいります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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