舟渡国際法律事務所

令和元年・他人の連れ子と身分を偽って在留し不許可|不法入国約7年11月・職員探知・未成年の子1人でも認められなかった事例(B類型不許可第1事例)

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令和元年・他人の連れ子と身分を偽って在留し不許可|不法入国約7年11月・職員探知・未成年の子1人でも認められなかった事例(B類型不許可第1事例)

令和元年・他人の連れ子と身分を偽って在留し不許可|不法入国約7年11月・職員探知・未成年の子1人でも認められなかった事例(B類型不許可第1事例)

2026/08/06

事例の概要

未成年のお子さんがいても、在留の基礎の身分が偽りであれば評価は大きく傾きます。出入国在留管理庁が公表した令和元年分事例集のB類型(配偶者が正規在留外国人)不許可第1事例です。

違反態様は不法入国、端緒は職員探知です。在日約7年11月、違反期間も約7年11月。婚姻期間は約3月と短く、未成年の子が1人います。配偶者は正規在留外国人ですが、具体的な在留資格は原典に記載がありません。刑事処分はありません。不許可の事情は、「日本人の配偶者等」で在留する外国人の連れ子であると身分を偽って在留していたことです。

本件は令和5年改正入管法及び現行ガイドライン(令和6年3月改定)の適用前の判断です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 素行(第2の3・消極):他人の連れ子であると身分を偽る行為は、在留資格の基礎たる身分関係を偽ります。ガイドラインの消極要素のうち、公的書類の不正受交付・行使を含む(ウ)に類し、他の外国人が偽装に関与していれば(イ)の射程にも入り得ます。
  • 第2の6(消極):退去強制理由となった事実の反社会性。虚偽の身分による在留は、届出の内容が真実であることを前提とする出入国在留管理行政の根幹に関わり、反社会性は重く評価されます。
  • 第2の2(2)(乗りにくい):この項目は別表第二の在留資格者との家族関係を特に考慮しますが、本件は配偶者の具体的な在留資格の記載がなく、この足場を確認できません。なお配偶者が別表第一の在留資格である事例も、この積極要素に直接は当たりません。加えて婚姻期間は約3月です。
  • 子の利益(積極):未成年の子が1人います。もっとも婚姻期間の短さと素行面の事情のもとで決定的には働きません。
  • 第2の9(当たらない):職員探知による発覚のため、出頭申告による積極要素はありません。

結論を分けた一線はどこか

同年B類型の許可第3事例は、同じく不法入国で違反期間は約12年3月と本件より長いのに、出頭申告で配偶者が永住者、子も正規在留で許可されています。

天秤が動かなかったのは、違反期間の長さではなく、在留の基礎となる身分を偽っていた素行面の事情と、それが職員探知で明らかになった経過と読めます。

弁護士のコメント

第1に、身分を偽った在留の事案では、本人がどこまで認識し、誰の関与のもとで手続が進んだのかが争点になり得ます。周囲の判断で手続がされた場合と、本人が主体的に虚偽の申立てをした場合とで評価は異なります。入管実務は退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする運用を続け、松村大介弁護士はその当否を問う訴訟を係争中です。認識と関与の内容の立証が後の主張の基礎になります。

第2に、本件には刑事処分がありません。刑事事件になっていないこと自体は積極要素になりません。ガイドライン注4は退去強制令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしていますので、経過は違反審査の段階から時系列で示す必要があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集の掲載は各年20件前後です。身分の偽りが問題となった事案に許可例が見当たらないのも抜粋の中の傾向です。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としております。

不法就労助長罪に問われて強制退去の危機に直面した女性の事案では、退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を問う訴訟を進めております。この事件では、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得しております。

観光目的で来日された方が在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案では、婚姻と認知を当局と交渉して成立させ、過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となりますので、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

身分関係が問われる事案では、経過と認識を早い段階で正確に整理しておくことが、その後の主張を支えます。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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