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令和元年・不法入国から約30年でも在留特別許可|配偶者が永住者・婚姻約2年・子なし・出頭申告の事例(B類型許可第4事例)

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令和元年・不法入国から約30年でも在留特別許可|配偶者が永住者・婚姻約2年・子なし・出頭申告の事例(B類型許可第4事例)

令和元年・不法入国から約30年でも在留特別許可|配偶者が永住者・婚姻約2年・子なし・出頭申告の事例(B類型許可第4事例)

2026/08/06

事例の概要

在留資格のない状態が30年続き、婚姻は約2年、子もいない。それでも許可された事例です。出入国在留管理庁が公表した令和元年分事例集のB類型(配偶者が正規在留外国人)許可第4事例です。

違反態様は不法入国、端緒は出頭申告です。在日約30年で違反期間も約30年。婚姻期間は約2年で子はありません。特記事項によれば配偶者の在留資格は「永住者」です。刑事処分はなく、被退去強制歴は記載から判明しません。許可内容は「永住者の配偶者等(1年)」でした。

本件は令和5年改正入管法及び現行ガイドライン(令和6年3月改定)の適用前の判断です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(2)(積極):永住者との家族関係で第2の2(1)に準ずるもの。「永住者」は別表第二ですので本件はこの積極要素に直接乗ります。B類型で配偶者が別表第一の事例は、ここに直接当たらない構造です。
  • 第2の9(積極):不法滞在の事実を申告するため自ら出頭したこと。
  • その他の事情(積極):約30年の在日期間で形成された地域社会との関係。ガイドラインは、不法在留期間中に地域社会との関係を構築している場合を別途積極要素として考慮する留保を置きます。
  • 第2の5(消極):約30年の不法在留期間。長期化が明示的に消極要素と位置づけられたのは令和6年3月改定であり、本件当時は積極にも消極にもなり得るとされていました。現行の枠組みで同じ事案が判断されれば、評価が変わりうる余地は小さくありません。
  • 第2の6(消極):不法入国という違反態様の反社会性。

結論を分けた一線はどこか

同年B類型の不許可第4事例と並べると輪郭が見えます。そちらは在日約18年6月の全部が違反期間、婚姻約2年、子なし、端緒は出頭申告と本件によく似ていますが、被退去強制歴が1回あり不許可でした。

本件の違反期間は約30年で、不許可の第4事例の約18年6月より長いのに結論が分かれています。天秤を傾けたのは期間の長短ではなく、配偶者が永住者であるという足場と、過去に退去強制を受けた経過がないことと読めます。

弁護士のコメント

第1に、長期の不法在留の評価が改定で変わった点を押さえる必要があります。本件のような事案では、現在は第2の5の消極要素が明示的に働きます。もっともガイドラインは同じ期間に構築された関係を積極に考慮する留保も置きますので、納税や社会保険の記録、地域活動、支援者の陳述など、期間を積極の側に転じる材料を積み上げる作業が要です。

第2に、被退去強制歴の有無がこの類型で持つ重みです。歴がある場合は、前回の経緯とその後の生活の違いを時系列で整理し、違反審査の段階から示す必要があります。ガイドライン注4は退去強制令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしており、後から出しても遅い場面が多くあります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集の掲載は各年20件前後にすぎません。ご自身と同じ経過の許可例が見当たらないことは、可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としております。

観光目的で来日された方が在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦不受理とされた婚姻と認知を憲法的観点から当局と交渉して成立させ、過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議により、全件について不起訴処分を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となりますので、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

長い年月をどう位置づけるかは、ガイドラインの改定によって変わりました。現行の枠組みを前提に組み立て直す必要があります。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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