舟渡国際法律事務所

令和元年・在日約29年4月で在留特別許可|不法残留約3年2月・婚姻約1年7月・子なし・出頭申告の事例(A類型許可第3事例)

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令和元年・在日約29年4月で在留特別許可|不法残留約3年2月・婚姻約1年7月・子なし・出頭申告の事例(A類型許可第3事例)

令和元年・在日約29年4月で在留特別許可|不法残留約3年2月・婚姻約1年7月・子なし・出頭申告の事例(A類型許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

長く日本で暮らした方が在留資格を失い、その後に日本人配偶者と婚姻した経過の事例です。出入国在留管理庁が公表した令和元年分の事例集のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第3事例です。

違反態様は不法残留、発覚の端緒は出頭申告です。在日期間は約29年4月に及び、うち違反期間は約3年2月。日本人配偶者との婚姻期間は約1年7月で、夫婦間に子はありません。刑事処分はありません。被退去強制歴は事例集の記載からは判明しません。結果は「日本人の配偶者等(1年)」の許可でした。

本件は令和5年改正入管法の施行前、かつ現行ガイドライン(令和6年3月改定)の改定前の判断です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(1)(ウ)(積極):日本人と法的に婚姻し、相当期間共同生活をして相互に扶助していること。婚姻約1年7月は長いとはいえず、夫婦間に子もありませんが、他の消極事情がない中でこの要素が働いたと読めます。
  • 第2の9(積極):不法滞在の事実を申告するため自ら出頭したこと。
  • その他の事情(積極):約29年4月という在日期間を通じた地域社会との関係構築。ガイドラインは、不法在留期間中に日本人や地域社会との関係を構築している場合、これを別途積極要素として考慮する留保を置いています。
  • 第2の5(消極):約3年2月の不法在留期間。長期化が明示的に消極要素と位置づけられたのは令和6年改定であり、本件当時は積極にも消極にもなり得るものとされていました。現行の枠組みでは、同じ事情の評価が変わりうる部分です。

結論を分けた一線はどこか

在日約29年4月のうち、在留資格を失っていたのは約3年2月にとどまります。つまり大部分の期間は正規の在留でした。この経過が、婚姻期間の短さと子の不存在を補ったと読めます。

同年A類型の不許可第4事例と比べると差は明瞭です。そちらは在日約20年5月、婚姻期間は約16年5月と本件よりはるかに長く、違反期間も約7月と短かったのですが、窃盗の有罪判決と同種の前科4件、被退去強制歴3回があり不許可でした。日本での生活の長さが積極に働くのは、素行面の消極要素が積み重なっていない場合に限られると考えられます。

弁護士のコメント

第1に、在留資格を失った経緯そのものを主張の対象にすべき場面があります。長く正規に在留していた方が資格を失う経過には、更新申請の失念、勤務先の事情による資格該当性の喪失など様々なものがあります。その経過を裏づける資料を早期に整えておくことは、第2の5の評価に直接影響します。

第2に、地域社会との関係の立証です。納税や社会保険の記録、地域活動への参加、支援者の陳述は、ガイドラインが積極要素として挙げる事情に対応します。ただしガイドライン注4は退去強制令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしていますので、これらは違反審査から口頭審理までの段階で提出しておく必要があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋にすぎず、同じ経過の許可例が見つからないことは可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後もなお違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としております。

観光目的で来日された方が在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦不受理とされた婚姻と認知を憲法的観点から当局と交渉して成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件にも対応しており、中国籍の方の重大事件を多数扱っております。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となりますので、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

日本での生活が長い方の事案では、その年月を積極要素として示す資料を組み立てられるかどうかが要になります。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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