舟渡国際法律事務所

令和2年・覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反で懲役3年6月・罰金80万円、在日約24年でも不許可|日本国籍の実子がいても親権がなく許可されなかった事例(D類型不許可第3事例)

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令和2年・覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反で懲役3年6月・罰金80万円、在日約24年でも不許可|日本国籍の実子がいても親権がなく許可されなかった事例(D類型不許可第3事例)

令和2年・覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反で懲役3年6月・罰金80万円、在日約24年でも不許可|日本国籍の実子がいても親権がなく許可されなかった事例(D類型不許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

薬物事件は在留の見通しを最も厳しくします。令和2年分事例集(出入国在留管理庁公表)のD類型(その他)不許可第3事例で、結論は不許可です。違反態様は薬物法令違反および不法残留、端緒は警察の逮捕で、在日約24年・違反約2年10月です。刑事処分は、覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反により懲役3年6月・罰金80万円の判決でした(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。在留希望の理由は、日本国籍を有する実子がいること、本邦に生活基盤があることで、親権はありません。事例集の特記事項には日系3世であることが記されています。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前の判断です。

  • 消極要素・第2の6:入管法24条4号チは薬物関係法令違反による有罪を退去強制事由とし、執行猶予でも該当します。本事例は実刑であり、無期又は1年を超える拘禁刑を対象とする24条4号リにも当たります。不法残留がどの号に当たるかは条文で確認する必要があります。
  • 消極要素・第2の5:約2年10月の不法在留。
  • 第2の9の出頭申告には当たりません(端緒は警察による逮捕)。
  • 積極要素・第2の2(1)(イ)との関係:同項が特に考慮するのは、未成年未婚等の日本人の実子を相当期間同居監護養育している場合です。本事例には日本国籍の実子がいますが親権はなく、監護養育の実態の記載もありません。
  • 積極要素・その他:在日約24年の生活基盤。日系3世である点は、第2の4が挙げる本邦入国の経緯には当たりません。

結論を分けた一線はどこか

薬物法令違反は許可事例にほとんど現れず、消極要素として極めて重く扱われます。加えて、日本国籍の実子がいるという事情は、親権も監護養育の実態も伴わない形で述べられていました。同年D類型の許可第7事例は、不法入国という重い違反態様でありながら、日本国籍を有する実子を現に監護養育していたため定住者(1年)が認められました。実子がいるという事実そのものではなく、現に監護養育しているかどうかが分かれ目です。

弁護士のコメント

刑事処分がある事例です。2点を述べます。

第1に、不起訴目標主義です。24条4号チは執行猶予でも該当しますから、執行猶予の獲得を最終目標に据える弁護方針では在留を守れません。刑事段階で不起訴処分を獲得できていれば、退去強制事由該当性そのものを生じさせずに済んだ可能性があります。断定はできませんが、この点は決定的です。

第2に、薬物の認識の争い方です。所持や使用について、認識を欠く事案は現に存在します。捜査段階での供述の訳出のニュアンスが後の公判と入管手続を左右しますので、ご本人のために動く通訳の確保が要点になります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋にとどまります。薬物事件は不許可が並びますが、それは刑事処分が確定した後の局面です。刑事段階の結論が変われば、入管手続の出発点そのものが変わります。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者については、証拠の徹底した分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得いたしました。裁判員裁判の対象事件や報道された重大事件にも多数対応しております。

観光目的で来日した相談者が在留資格を失った事案では、過去の許可事例の分析により1回の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至りますので、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

薬物事件では、刑事段階の結論がそのまま在留の結論に直結いたします。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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