舟渡国際法律事務所

令和2年・不法入国でも日本国籍の実子を監護養育して定住者(1年)|自ら出頭し在日約4年9月・違反約4年9月で在留特別許可(D類型許可第7事例)

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令和2年・不法入国でも日本国籍の実子を監護養育して定住者(1年)|自ら出頭し在日約4年9月・違反約4年9月で在留特別許可(D類型許可第7事例)

令和2年・不法入国でも日本国籍の実子を監護養育して定住者(1年)|自ら出頭し在日約4年9月・違反約4年9月で在留特別許可(D類型許可第7事例)

2026/08/06

事例の概要

違反態様が不法入国であっても許可される場合があります。令和2年分事例集(出入国在留管理庁公表)のD類型(その他)許可第7事例で、結論は許可です。違反態様は不法入国、端緒は出頭申告で、在日約4年9月・違反約4年9月です。在日期間の全部が違反期間に当たります。刑事処分の欄は「無」で、被退去強制歴の記載はありません。在留希望の理由は、日本人実子の監護・養育でした。事例集の特記事項には、日本国籍を有する実子を監護・養育していると記されています。許可内容は定住者(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前の判断です。

  • 積極要素・第2の2(1)(イ):未成年で未婚の日本人の実子、又は障害により監護を要する日本人の実子を相当期間同居して監護養育していることは、特に考慮する積極要素とされます。本事例の中核はここにあります。
  • 積極要素:本邦で家族とともに生活する子の利益の保護の必要性(明示は令和6年3月改定・参議院附帯決議14項)。
  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して不法滞在を申告したこと。
  • 消極要素・第2の6:不法入国。入国の局面から違法な状態が始まっており、不法残留とは反社会性の程度の評価が異なり得ます。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。
  • 消極要素・第2の5:約4年9月の不法在留。第2の3の素行不良に当たる記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。不法入国は軽い違反態様ではありません。それを上回ったのは、日本国籍を有する実子を現に監護養育しているという、条項が明示する積極要素であったと読めます。同年D類型の不許可第3事例も日本国籍の実子がいることを理由に挙げましたが、親権がなく、薬物法令違反による実刑判決がありました。実子がいるという事実だけでなく、現に監護養育しているかどうかが分かれ目です。

弁護士のコメント

刑事処分の記載がない事例です。2点を述べます。

第1に、監護養育の実態の立証です。戸籍による親子関係の確認に加え、同居の状況、生活費の負担、育児の分担、保育や学校との関わりを示す資料が要点になります。認知や親権の状況も併せて明らかにしておく必要があります。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しませんので、提出は違反審査の段階までに行うべきです。

第2に、出頭の準備です。出頭により身柄が拘束される可能性がある一方で、子の監護に空白を生じさせるわけにはいきません。仮放免の見通しや、その間の監護の体制を含めて事前に組み立てておくことになります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋で、その年の許可を網羅しません。違反態様が重いために見通しがないとお考えの方でも、条項が明示する積極要素が備わっていれば評価は変わり得ます。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、婚姻・認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析して1回の申請で在留特別許可を獲得いたしました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至りますので、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

日本国籍の子を育てておられる場合、監護養育の実態をどう示すかがすべての出発点となります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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