舟渡国際法律事務所

令和2年・高齢で本国に身寄りがなく、帰化した実子の介護を受けるため特定活動(6月)|在日約3年4月・違反約2年10月で在留特別許可(D類型許可第2事例)

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令和2年・高齢で本国に身寄りがなく、帰化した実子の介護を受けるため特定活動(6月)|在日約3年4月・違反約2年10月で在留特別許可(D類型許可第2事例)

令和2年・高齢で本国に身寄りがなく、帰化した実子の介護を受けるため特定活動(6月)|在日約3年4月・違反約2年10月で在留特別許可(D類型許可第2事例)

2026/08/06

事例の概要

家族関係の条項に直接当てはまらなくても許可はあります。令和2年分事例集(出入国在留管理庁公表)のD類型(その他)許可第2事例で、結論は許可です。違反態様は不法残留、端緒は出頭申告で、在日約3年4月・違反約2年10月です。刑事処分の欄は「無」で、被退去強制歴の記載はありません。在留希望の理由は、本邦に帰化した実子の介護を受けて生活したいというものでした。事例集の特記事項には、高齢で重度の認知症を発症しており、本国に身寄りがないと記されています。症状の詳細には立ち入りません。許可内容は特定活動(6月)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行(令和6年6月10日)前の判断です。

  • 積極要素・第2の7(1):本邦での治療を必要とすること、又はそうした治療を要する親族の看護。本邦での療養と介護を要する本事例は、この要素に近いところです。
  • 積極要素・その他:本国に身寄りがないこと。送還後に療養と介護の担い手を欠くことは、人道上の配慮として考慮されたと読めます。
  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して不法滞在を申告したこと。
  • 第2の2(1)(イ)との関係:同項が積極要素とするのは、未成年未婚又は障害により監護を要する日本人の実子を相当期間同居監護養育している場合です。本事例は帰化した実子から介護を受ける立場であり、この構造には直接当たりません。実子の日本国籍は家族関係として考慮され得ますが、条項の当てはめは慎重に見る必要があります。
  • 消極要素・第2の5と第2の6:約2年10月の不法在留と不法残留。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。在日約3年4月と短く、その大半が不法在留でした。それでも許可に至ったのは、送還すれば療養と介護の担い手を欠く一点が重く見られたためと読めます。許可が定住者ではなく特定活動(6月)である点からは、必要性に即した地位として与えられたことがうかがえます。同年D類型の不許可第3事例は、在日約24年で日本国籍の実子がいましたが、親権がなく薬物法令違反の実刑判決があり不許可です。家族が本邦にいることだけでは足りません。

弁護士のコメント

刑事処分の記載がない事例です。2点を述べます。

第1に、療養と介護の立証です。診断書や通院の記録、要介護の認定、誰が介護を担うかを示す資料が中心です。ご本人が手続の意味を理解しにくい状態では、ご家族が早期に動きます。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しません。

第2に、更新を見据えた準備です。許可期間が6月と短い場合、次の更新に向けて療養と介護の継続を示す資料を積み重ねます。最初の許可が終わりではありません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋で、その年の許可を網羅しません。条項に直接当てはまらない事情でも、実質的に考慮されて許可に至った例があります。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

観光目的で来日した相談者が在留資格を失った事案では、入管当局の過去の許可事例を分析して主張を組み立て、1回の申請で在留特別許可を獲得いたしました。

国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件への対応実績も有しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至りますので、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標といたします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

療養や介護を要するご家族の在留については、必要性の継続を資料で示し続けることが要点となります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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