舟渡国際法律事務所

令和2年・売春従事で懲役4月・執行猶予2年、罰金の前科2件で不許可|婚姻約1年の日本人配偶者がいても許可されなかった事例(A類型不許可第4事例)

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令和2年・売春従事で懲役4月・執行猶予2年、罰金の前科2件で不許可|婚姻約1年の日本人配偶者がいても許可されなかった事例(A類型不許可第4事例)

令和2年・売春従事で懲役4月・執行猶予2年、罰金の前科2件で不許可|婚姻約1年の日本人配偶者がいても許可されなかった事例(A類型不許可第4事例)

2026/08/06

事例の概要

同じ違反態様でも、処分の重さと前科の有無で結論が変わります。出入国在留管理庁が令和3年7月公表の令和2年分事例集のA類型(配偶者が日本人の場合)不許可第4事例です。

違反態様は売春従事、端緒は警察逮捕です。在日期間は約12年4月で、違反期間の欄は斜線です。日本人配偶者との婚姻期間は約1年、夫婦間に子はありません。刑事処分は売春防止法違反により懲役4月・執行猶予2年の判決で(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)、ほかに風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反による罰金の前科1件と、条例違反による罰金の前科1件があります。

罪名以外の事実は事例集に記載がなく、本記事も事実には立ち入りません。本件は令和5年改正入管法及び現行ガイドライン(令和6年3月改定)の適用前の判断です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(1)(ウ)(積極):日本人との法的な婚姻はありますが、期間は約1年で、夫婦間に子もありません。相当期間の共同生活という要件に照らすと厚みは乏しいところです。
  • 第2の3(エ)(消極):自ら売春を行う行為は「特に考慮する消極要素」です。
  • 第2の6(消極):退去強制理由となった事実の反社会性。有罪判決に加え、前科が2件ある点も素行の評価を下げます。
  • 第2の9:警察逮捕による発覚のため、自ら出頭したことによる積極要素はありません。

結論を分けた一線はどこか

同年のA類型許可第4事例が有益な対照です。そちらも売春従事・警察逮捕でしたが、在日約23年7月、婚姻約23年5月で成年の子が1人あり、刑事処分は罰金5万円の略式命令にとどまり、前科の記載もありませんでした。

本件との差は、婚姻期間の厚みと、処分の重さ及び前科の存在にあると読めます。同じ消極要素を抱える2件のうち、積極要素を厚く積める側だけが天秤を戻せたと考えられます。

弁護士のコメント

第1に、執行猶予を目標に据えることの危うさです。入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としており、全部執行猶予は除外されます。もっとも、売春に関係する行為については別に退去強制事由の定めがあり、具体的にどの号に当たるかは事案ごとに条文に当たって確認する必要があります。執行猶予が付いても退去強制手続が進む類型があるということです。刑事段階で不起訴処分を獲得できていれば、退去強制事由該当性そのものを生じさせずに済んだ可能性を論じる余地はあります。

第2に、前科の重みです。前科は消せませんが、罰金前科の存在を前提に、その後の生活の安定や地域社会との関係を積極要素として積み直す作業は可能です。違反審査の段階から資料を出しておくことが要になります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

各年20件前後という掲載は抜粋にすぎず、傾向は出発点であって結論ではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

特殊詐欺の出し子とされた20代の女性については、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在を総合的に主張し、起訴前の段階で不起訴処分を獲得しました。

不法就労助長を理由に退去強制の危機に立たれた女性の事案では、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を問う訴訟を現在も続けています。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となるため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。接見の初動から公判の結審まで松村弁護士自身が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐して、依頼者ご本人のために動く立場から通訳します。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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