舟渡国際法律事務所

令和2年・性犯罪により懲役4年6月の実刑で在留特別許可されず|在日約14年10月・婚姻約4年10月でも不許可となった事例(A類型不許可第2事例)

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令和2年・性犯罪により懲役4年6月の実刑で在留特別許可されず|在日約14年10月・婚姻約4年10月でも不許可となった事例(A類型不許可第2事例)

令和2年・性犯罪により懲役4年6月の実刑で在留特別許可されず|在日約14年10月・婚姻約4年10月でも不許可となった事例(A類型不許可第2事例)

2026/08/06

事例の概要

日本人配偶者との婚姻が4年を超え、在日期間も14年を超えていても、不許可となった事例です。出入国在留管理庁が令和3年7月公表の令和2年分事例集のA類型(配偶者が日本人の場合)不許可第2事例です。

違反態様は刑罰法令違反及び不法残留、端緒は警察逮捕です。在日期間は約14年10月、うち違反期間は約4年11月です。日本人配偶者との婚姻期間は約4年10月で、夫婦間に子はありません。刑事処分は、事例集の記載によれば強姦により懲役4年6月です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。

罪名以外の事実は事例集に記載がありません。被害に遭われた方への配慮からも、本記事は罪名を超えて事実に立ち入らず、制度の構造に限って述べます。なお本件は令和5年改正入管法及び現行ガイドライン(令和6年3月改定)の適用前の判断です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(1)(ウ)(積極):日本人と法的に婚姻し約4年10月の期間があることは、本来この要素として働きます。もっとも夫婦間に子はありません。
  • 第2の6(消極):退去強制理由となった事実の反社会性。実刑4年6月という量刑は、この評価が最も重く働く水準です。
  • 第2の9:警察逮捕による発覚のため、自ら出頭したことによる積極要素はありません。
  • 第2の5(消極):約4年11月の不法在留。

結論を分けた一線はどこか

天秤を戻せなかったのは、量刑の水準であったと読めます。ガイドライン注4は、「特に考慮する積極要素」があっても直ちに許可されるものではないとしており、婚姻約4年10月という期間でも足りませんでした。

現行法の下では、枠組み自体がさらに厳しくなります。入管法50条1項ただし書は、無期又は1年を超える拘禁刑の実刑に処せられた者について、在留を許可しないことが人道上の配慮に欠けると認められる特別の事情がある場合に限り許可することとしています。本件の量刑はこの範囲に入ります。

弁護士のコメント

第1に、退去強制事由の構造です。入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由とし、全部執行猶予は除外されます。一般論として、刑事段階で不起訴処分を獲得できていれば、退去強制事由該当性そのものを生じさせずに済んだ可能性を論じる余地はあります。もっとも本件の量刑の水準からは、その余地は限られていたと考えられます。

第2に、争う段階です。ガイドライン注4は退去強制令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしています。刑事事件が長期化する事案では、判決の確定と入管手続の進行が前後します。刑事の弁護方針を、後の入管手続で何を主張するかまで見通して組み立てておく必要があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋であり、掲載の傾向は出発点であって結論ではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者については、証拠の徹底した分析と被告人質問・反対尋問の積み上げにより無罪判決を獲得しました。裁判員裁判の対象事件や報道された重大事件にも多数対応しています。

特殊詐欺の出し子とされた20代の女性については、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在を総合的に主張し、起訴前の段階で不起訴処分を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となるため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。接見の初動から公判の結審まで松村弁護士自身が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐して、依頼者ご本人のために動く立場から通訳します。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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