舟渡国際法律事務所

令和2年・不法入国から約16年3月・摘発で発覚しても在留特別許可|婚姻約10年1月・未成年の子3人の事例(A類型許可第5事例)

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令和2年・不法入国から約16年3月・摘発で発覚しても在留特別許可|婚姻約10年1月・未成年の子3人の事例(A類型許可第5事例)

令和2年・不法入国から約16年3月・摘発で発覚しても在留特別許可|婚姻約10年1月・未成年の子3人の事例(A類型許可第5事例)

2026/08/06

事例の概要

摘発で発覚し、入国そのものが不法であっても許可された事例があります。出入国在留管理庁が令和3年7月公表の令和2年分事例集のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第5事例です。

違反態様は不法入国、端緒は摘発です。在日期間は約16年3月で、違反期間も約16年3月ですので、在留資格を有していた期間はありません。日本人配偶者との婚姻期間は約10年1月、夫婦間に未成年の子が3人います。刑事処分はなく、被退去強制歴は記載からは判明しません。結論は許可で、「日本人の配偶者等(1年)」です。

本件は令和5年改正入管法及び現行ガイドライン(令和6年3月改定)の適用前の判断です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(1)(ウ)(積極):日本人と法的に婚姻し、相当期間の共同生活と相互扶助があり、夫婦間に子があるなど婚姻が安定かつ成熟していること。婚姻約10年1月と未成年の子3人は、この要素として厚く働きます。
  • 子の利益(積極):本邦で家族とともに生活する子の利益の保護の必要性。明示されたのは令和6年3月改定です。
  • 第2の5(消極):約16年3月という長期の不法在留。ただし同項には、その間に日本人や地域社会との関係を構築している場合は別途積極要素として考慮する留保が置かれています。
  • 第2の9:摘発による発覚のため、自ら出頭したことによる積極要素はありません。

結論を分けた一線はどこか

同年のA類型不許可第5事例は、自ら出頭し刑事処分もなく婚姻約2年1月でしたが、被退去強制歴が2回あり不許可でした。発覚の端緒だけを見れば本件の方が不利です。

それでも本件が許可されたのは、婚姻約10年1月と未成年の子3人という家族関係の厚み、加えて16年余りの生活で築かれた関係が、長期の不法在留を上回ると評価されたためと読めます。端緒は重要ですが、それだけで結論が決まるわけではないと考えられます。

弁護士のコメント

第1に、摘発で始まった場合の立証です。身柄を拘束された状態では、本人が資料を集めることはできません。配偶者や支援者の協力を得て、同居と家計の一体性、子の在学や養育の状況を示す資料を、違反審査の段階までに整える必要があります。何が必要かは事案により異なります。

第2に、争う段階の選択です。ガイドライン注4は退去強制令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしています。認定や判定に不服を留保せずに従うと争点が事実上封じられますので、口頭審理の請求と異議申出を適切に重ねることが要になります。なお不法入国も退去強制事由ですが、具体的にどの号に当たるかは事案ごとに条文に当たって確認する必要があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集の掲載は各年20件前後の抜粋です。長期の不法在留や摘発による発覚といった事情があっても、許可の可能性が閉ざされるわけではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦は不受理とされた婚姻と認知を憲法的な観点から当局と交渉して成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しました。

不法就労助長を理由に退去強制の危機に立たれた女性の事案では、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を問う訴訟を現在も続けています。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となるため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。接見の初動から公判の結審まで松村弁護士自身が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐して、依頼者ご本人のために動く立場から通訳します。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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