舟渡国際法律事務所

令和3年・複数の外国人に不法就労させ罰金20万円の略式命令で不許可|不法就労助長が決定的な消極要素となった事例(D類型不許可第3事例)

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令和3年・複数の外国人に不法就労させ罰金20万円の略式命令で不許可|不法就労助長が決定的な消極要素となった事例(D類型不許可第3事例)

令和3年・複数の外国人に不法就労させ罰金20万円の略式命令で不許可|不法就労助長が決定的な消極要素となった事例(D類型不許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

事業者として外国人を雇う立場にあった方の事例です。令和3年分事例集のD類型(その他)不許可第3事例で、結論は不許可でした。違反態様は不法就労助長、発覚の端緒は警察逮捕で、在日約6年1月です(違反期間の欄は原典で空欄)。刑事処分は、入管法違反(不法就労助長)により罰金20万円の略式命令でした。特記事項には、事業活動に関し複数の外国人に不法就労活動をさせたものと記載されています。在留希望の理由は、稼働を継続したいというものでした。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行前かつ改定前の判断です。

  • 消極・第2の3(イ):他の外国人の不法就労に関わる行為は、特に考慮する消極要素です。本事例の中心はここにあります。複数の外国人が関係している点も重く働きます。
  • 消極・第2の6:入管法24条3号の4は不法就労助長行為を退去強制事由としています。刑事処分の有無とは別に、この事実自体が評価の対象です。
  • 第2の9の出頭申告には当たりません(端緒は警察逮捕)。
  • 積極として挙げにくい点:稼働の継続の希望は、ガイドラインが挙げる積極要素ではありません。家族関係や人道上の配慮の記載もありません。
  • 入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を対象としますので、罰金はこの号には当たりません。

結論を分けた一線はどこか

同年D類型の許可第6事例は、新型コロナウイルス感染症の影響で出国便が確保できず、帰国便が確保できるまでの滞在を求めたもので、短期滞在(90日)が認められました。求めたものが期間限定の法的地位であったのに対し、本事例は稼働の継続という在留の利益そのものを求めています。加えて、特に考慮する消極要素が正面から存在します。この差が結論を分けたと読めます。

弁護士のコメント

第1に、故意・過失です。不法就労助長では、相手方の在留資格や就労の可否についての認識が問題になります。退去強制事由の判断に故意・過失は要件でないとする運用が長く踏襲されてきましたが、松村大介弁護士はこの点を正面から問う訴訟を係争中です。断定的な結論を申し上げる段階ではありませんが、刑事段階から認識を争うことが、その後の入管手続における主張の基礎になります。

第2に、略式命令の扱いです。罰金であっても有罪であり、24条3号の4の該当性は刑事処分とは別に判断されます。略式手続に応じる前に入管手続への影響を検討する必要があり、不起訴処分を獲得できていれば、素行の消極要素に有罪の裏付けを与えずに済んだ余地はありました。

第3に、事業者側の資料です。在留カードの確認手順、就労可否の確認記録、雇用管理の体制を示す資料は、認識の争いに直結します。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この類型は、公表事例では不許可が並びます。もっとも事例集は各年20件前後の抜粋にとどまり、実際の許可件数のごく一部です。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、まさにこの類型でありながら在留特別許可を獲得し、許可を得た後もなお違反認定処分そのものの取消しを争っております。公表事例の傾向は出発点であって結論ではありませんが、必ず覆せると申し上げるものではございません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

不法就労助長罪に問われ退去強制の危機にあった女性の事案では、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務を問う訴訟を現在も継続しております。

特殊詐欺の出し子とされた20代女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在を総合的に主張し、不起訴処分を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。松村弁護士は、接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

不法就労助長では、認識の有無を刑事段階から争うことが後の手続を大きく左右します。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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