舟渡国際法律事務所

令和3年・在日約30年4月の全部が不法在留、病気の母の介護で定住者(1年)|親族の看護が積極要素となった事例(D類型許可第8事例)

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令和3年・在日約30年4月の全部が不法在留、病気の母の介護で定住者(1年)|親族の看護が積極要素となった事例(D類型許可第8事例)

令和3年・在日約30年4月の全部が不法在留、病気の母の介護で定住者(1年)|親族の看護が積極要素となった事例(D類型許可第8事例)

2026/08/06

事例の概要

家族の介護を理由に在留が認められた事例です。令和3年分事例集のD類型(その他)許可第8事例で、結論は許可、定住者(1年)が認められました。違反態様は不法入国、端緒は出頭申告で、在日約30年4月・違反も約30年4月、つまり在日期間の全部が不法在留です。刑事処分はありません。在留希望の理由は、本邦に生活基盤があるというものでした。特記事項には、幼少時に母に連れられ入国したこと、病気により単独での日常生活が困難な母を介護するものと記載されています。母の病状の詳細は事例集には記載されていません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行前かつ改定前の判断です。

  • 積極・第2の7(1):人道上の配慮。同項は、本邦での治療を要する親族の看護を挙げます。本事例の中心はここにあります。
  • 積極・第2の9:自ら出頭したこと。
  • 積極・その他の事情:入国が幼少時で母に連れられたものであり、本人の判断によるものではないこと。約30年にわたる生活の基盤、地域社会との関係も考慮の対象です。
  • 消極・第2の5:在日期間の全部にわたる約30年4月の不法在留。令和6年改定で長期化が明示的な消極要素と位置づけられましたので、現在の枠組みではこの点がより重く働き得ます。もっとも同項には、その間に地域社会との関係を構築している場合は別途積極要素として考慮する留保があります。
  • 消極・第2の6:不法入国の事実。

結論を分けた一線はどこか

天秤を傾けたのは、単独での日常生活が困難な母を現に介護していることだと読めます。約30年という期間は、令和6年改定後の枠組みでは消極要素として明示されますが、同時にその期間が本邦での生活の基盤と看護の必要性を裏づけてもいます。同年D類型の不許可第1事例は、日本にいる同国人の成人の子と生活したいという理由でしたが、窃盗により有罪判決を受け前科2件があり不許可でした。親族関係を挙げる点は共通しても、看護の必要性の有無と素行で結論が分かれています。

弁護士のコメント

刑事処分がありませんので、2点を申し上げます。

第1に、看護の必要性の立証です。診断書や介護の認定に関する資料、日常生活のどの部分に介助を要するのか、他に介護を担える人がいるのかを示す資料が中心になります。ご家族の状況に関わる資料ですので、必要な範囲にとどめる配慮も欠かせません。

第2に、長期化の評価です。令和6年改定により不法在留期間の長期化が明示的な消極要素とされましたので、同じ事情でも現在は評価が変わり得ます。期間の長さを地域社会との関係の厚みとして示す組み立てが、以前より重要になっていると考えます。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集に載るのは各年20件前後の抜粋であり、実際の許可件数のごく一部です。介護を理由とする許可例が見当たらないとしても、許可の可能性がないことにはなりません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型で在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分そのものの取消しを争っております。もっとも、必ず覆せると申し上げるものではございません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、当局から一旦不受理とされた婚姻と認知を憲法的観点からの交渉により成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析して、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。松村弁護士は、接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

親族の看護を理由とする場合、介助の必要性と担い手の状況を資料で示すことが要点になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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