舟渡国際法律事務所

令和3年・母の連れ子として幼少時に不法入国、本邦の教育機関で教育を受け定住者(1年)|在日期間の全部が違反でも許可された事例(D類型許可第7事例)

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令和3年・母の連れ子として幼少時に不法入国、本邦の教育機関で教育を受け定住者(1年)|在日期間の全部が違反でも許可された事例(D類型許可第7事例)

令和3年・母の連れ子として幼少時に不法入国、本邦の教育機関で教育を受け定住者(1年)|在日期間の全部が違反でも許可された事例(D類型許可第7事例)

2026/08/06

事例の概要

幼いころに親に連れられて入国し、日本で育った方についての事例です。令和3年分事例集のD類型(その他)許可第7事例で、結論は許可、定住者(1年)が認められました。違反態様は不法入国、端緒は出頭申告で、在日約10年11月・違反も約10年11月、つまり在日期間の全部が不法在留です。刑事処分はありません。在留希望の理由は、本邦に生活基盤があるというものでした。特記事項には、母の連れ子として幼少時に入国し、本邦の教育機関で教育を受けているものと記載されています。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行前かつ改定前の判断です。

  • 積極・第2の2(3):本邦の初等中等教育機関で相当期間教育を受け、本国での就学が困難な事情があり、地域社会に溶け込んでいる者は、特に考慮する積極要素です。本邦の教育機関で教育を受けている旨が明記されており、本事例の中心はここにあります。ただし本国での就学の困難さについての記載はありません。
  • 積極・第2の9:自ら出頭したこと。
  • 積極・その他の事情:入国が幼少時であり、母に連れられたものであって、本人の判断によるものではないこと。
  • 消極・第2の5:在日期間の全部にわたる約10年11月の不法在留。長期化が明示的な消極要素とされたのは令和6年改定です。
  • 消極・第2の6:不法入国の事実。反社会性の程度に応じた評価がなされます。

結論を分けた一線はどこか

在日期間の全部が違反でありながら許可されています。天秤を傾けたのは、入国の経緯に本人の関与がないこと、本邦の教育を通じて生活の基盤が本邦にできていること、そして自ら出頭したことだと読めます。同年D類型の不許可第2事例も不法入国で在日約16年4月の全部が不法在留ですが、被退去強制歴があり、本邦に生活基盤があるという理由のみが記載されて不許可でした。不法な状態を作ったのが誰か、そして教育を通じた結びつきがあるかで、結論が逆になっています。

弁護士のコメント

刑事処分がありませんので、2点を申し上げます。

第1に、立証の中身です。在学と修学の状況、言語の状況、地域や部活動・地域行事との関わり、本国に生活の基盤がないことを示す資料が中心になります。入国時の年齢を示す資料も、本人の関与のなさを裏付けるうえで意味があります。

第2に、帰責性の問題です。退去強制事由の判断に故意・過失は要件でないとする運用が長く踏襲されてきましたが、幼少時の入国のように本人の判断が介在しない場面では、その運用の当否が正面から問われます。松村大介弁護士はこの論点を問う訴訟を係争中です。違反審査の段階から経緯を主張しておく意味は大きいと考えます。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表される事例は各年20件前後の抜粋にとどまり、その年の判断の全体ではありません。似た経緯の許可例が見当たらないとしても、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分そのものの取消しを争っております。もっとも、傾向を覆せるとお約束するものではございません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、当局から一旦不受理とされた婚姻と認知を憲法的観点からの交渉により成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析して、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

不法就労助長罪に問われ退去強制の危機にあった女性の事案では、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務を問う訴訟を現在も継続しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。松村弁護士は、接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

幼少時に入国した方の事案では、教育を通じた本邦との結びつきを具体的に示すことが要点になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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