舟渡国際法律事務所

令和3年・新型コロナウイルス感染症の影響で出国便が確保できず短期滞在(90日)|送還の可能性が失われた場面での在留特別許可(D類型許可第6事例)

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令和3年・新型コロナウイルス感染症の影響で出国便が確保できず短期滞在(90日)|送還の可能性が失われた場面での在留特別許可(D類型許可第6事例)

令和3年・新型コロナウイルス感染症の影響で出国便が確保できず短期滞在(90日)|送還の可能性が失われた場面での在留特別許可(D類型許可第6事例)

2026/08/06

事例の概要

帰るための便がない、という事情で在留が認められた事例です。令和3年分事例集のD類型(その他)許可第6事例で、結論は許可、短期滞在(90日)が認められました。違反態様は不法残留、端緒は出頭申告で、在日約2年5月・違反約1月、刑事処分はありません。在留希望の理由は帰国便が確保できるまで本邦に滞在したいというもので、特記事項には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で出国便が確保できなかったものと記載されています。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例は改正入管法施行前かつ改定前の判断です。

  • 積極・第2の9:自ら出頭したこと。違反約1月という早い段階での出頭で、第2の5の不法在留期間も約1月です。
  • 人道上の配慮の位置づけ:第2の7が挙げるのは、難病等による治療の必要性又は治療を要する親族の看護、本国情勢による帰国困難が客観的に明らかであること、無国籍で送還先がないことです。出国便の確保が困難であることは、いずれにも直接当たりません。
  • もっとも、後の2つは、本人の意思や努力とは無関係に帰還や送還が実現しない場面を捉えたものです。運航の停止も、原因は異なるものの、送還の可能性が失われる点で同じ構造にあり、本事例はこれを人道上の配慮として受け止めたと読めます。

結論を分けた一線はどこか

注目すべきは、本人が在留の継続を求めていないことです。求めたのは帰国便が確保できるまでの滞在で、許可も短期滞在(90日)と期間の限られたものです。天秤に乗せられたのは在留の利益ではなく、出国が事実上不可能な期間の法的地位だと読めます。同年D類型の不許可第3事例は、稼働の継続を理由に在留を求めたもので、複数の外国人に不法就労活動をさせ、罰金20万円の略式命令を受けて不許可でした。求めるものの性質が対照的です。

弁護士のコメント

同種の事情が生じた場合の組み立てを中心に3点を申し上げます。

第1に、この許可は第2の7の列挙事由に直接当たるものではなく、送還の可能性が失われた場面での人道上の配慮として機能したと読めます。主張の出発点は、令書を発付しても執行できない状態にあることの説明です。

第2に、本国情勢の激変や送還先の受入停止といった一時的で外在的な事情でも同じ組み立てが考えられます。示すべきは、事情が本人の意思と無関係に生じたこと、一時的であり解消の見込みと時期を示せること、客観資料の裏付けがあること、求める在留資格と期間を見込み期間に合わせることです。在留の継続そのものを求める主張と混ぜないほうが、外在性は伝わります。

第3に、時期です。違反状態が生じて間もない段階で自ら出頭できれば、第2の5の消極評価は小さくとどまります。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋で、実際の許可件数のごく一部です。想定外の事情による許可例が公表されていなくても、可能性がないことを示すものではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型で在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っております。結果をお約束できるものではございません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、当局から一旦不受理とされた婚姻と認知を憲法的観点からの交渉により成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析して、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。松村弁護士は、接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

一時的で外在的な事情による出国困難では、事情の性質と解消の見込みを客観資料で示すことが要点になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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