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令和3年・婚姻約1年5月でも在留特別許可|配偶者が定住者・未成年の子1人・不法残留約1年10月の事例(B類型許可第4事例)

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令和3年・婚姻約1年5月でも在留特別許可|配偶者が定住者・未成年の子1人・不法残留約1年10月の事例(B類型許可第4事例)

令和3年・婚姻約1年5月でも在留特別許可|配偶者が定住者・未成年の子1人・不法残留約1年10月の事例(B類型許可第4事例)

2026/08/06

事例の概要

婚姻期間が1年半に届かない事案でも許可が出ています。令和3年分事例集(出入国在留管理庁が令和4年5月公表)のB類型(配偶者が正規に在留する外国人の場合)許可第4事例で、結論は許可、「定住者(1年)」が認められました。

違反態様は不法残留、端緒は出頭申告です。在日期間は約8年4月で、そのうち違反期間は約1年10月にとどまります。婚姻期間は約1年5月で、夫婦間に未成年の子が1人あります。配偶者の在留資格は「定住者」です。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめます。本件は令和5年改正入管法の施行前、かつ改定前の判断です。

  • 積極・第2の2(2):別表第二の在留資格を有する者との家族関係で第2の2(1)に準じるもの。配偶者の「定住者」がこれに当たります。婚姻約1年5月という短い期間を補うのが、夫婦間の未成年の子の存在です。配偶者が別表第一の在留資格である事案は、この積極要素に直接は当たりません。
  • 積極・第2の9:不法滞在の事実を申告するため自ら出頭したこと。
  • 積極・子の利益:本邦で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性(令和6年改定で明示)。
  • 消極・第2の5:不法在留期間約1年10月。在日期間約8年4月のうち大半は違反期間に含まれていません。
  • 消極・第2の6:退去強制理由となった不法残留の事実。

結論を分けた一線はどこか

対比は同じ令和3年B類型の不許可第3事例です。そちらは婚姻期間約7月で子はなく、配偶者は永住者でした。違反期間は約4月と本件より短かったにもかかわらず不許可で、端緒は警察逮捕、詐欺による有罪判決が記載されています。

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可を検討するとします。両者はいずれも婚姻期間が短い事案ですが、本件には夫婦間の子と出頭申告があり、不許可第3事例には刑事処分がありました。短い婚姻期間は、子の存在や端緒によって補われる余地があると読めます。

弁護士のコメント

第1に、違反期間が短い事案の意味です。一般に、在日期間の大半が違反期間に含まれない事案では、それまでの在留の実績を積極方向の事情として整理できます。納税や社会保険の記録は、その裏づけとして意味を持ちます。

第2に、提出の段階です。手続は違反調査、違反審査(認定)、口頭審理(判定)、法務大臣への異議申出と進みます。ガイドラインの注4は退去強制令書の発付後の事情変更を原則として考慮しないとしていますので、配偶者の在留資格を示す資料、子の出生や健診の記録、同居を示す資料は、違反審査の段階で提出しておきたいものです。必要な資料は事案ごとに異なります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集はその年の判断を網羅せず、各年20件前後の抜粋にとどまります。自分と同じ事情の許可例が見当たらないことは、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

不法就労助長罪に問われて強制退去の危機に直面した女性の事案では、退去強制事由に故意・過失を要しないとしてきた実務の当否を問う訴訟を進めております。この事件では、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得しております。

国際的な刑事事件や裁判員裁判対象事件、広く報道された事件にも対応してまいりました。中国籍の方の重大事件の経験も重ねております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

婚姻期間が短い場合でも、家族の形と手続の入り方によって評価は変わり得ます。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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