舟渡国際法律事務所

令和3年・自己経営店で外国人を不法就労させて不許可|懲役2年6月・執行猶予4年、日本人配偶者がいても許可されなかった事例(A類型不許可第5事例)

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令和3年・自己経営店で外国人を不法就労させて不許可|懲役2年6月・執行猶予4年、日本人配偶者がいても許可されなかった事例(A類型不許可第5事例)

令和3年・自己経営店で外国人を不法就労させて不許可|懲役2年6月・執行猶予4年、日本人配偶者がいても許可されなかった事例(A類型不許可第5事例)

2026/08/06

事例の概要

不法就労助長は、同じ令和3年A類型の許可側にも現れる違反態様です。本記事はその不許可側、令和3年分事例集(出入国在留管理庁が令和4年5月公表)のA類型(配偶者が日本人)不許可第5事例です。

違反態様は不法就労助長及び不法残留、端緒は警察逮捕です。在日期間は約6年3月、違反期間は約5年3月、婚姻期間は約2年5月で、子はありません。刑事処分は、入管法違反(不法残留、不法就労助長)及び風俗営業法違反により懲役2年6月、執行猶予4年、罰金30万円の判決です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。自己が経営する店で外国人を不法就労させたものと記載されています。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめます。本件は改正法施行前・改定前の判断です。

  • 消極・第2の3(イ):他の外国人の不法就労等に関わる行為。自ら経営する店での助長は、この消極要素の中核にあたります。
  • 消極・第2の6:入管法24条3号の4は、外国人に不法就労活動をさせる行為等を、有罪判決を要件とせずに退去強制事由と定めます。細目は条文で確認する必要があります。
  • 消極・第2の5:不法在留期間約5年3月。
  • 消極:端緒が警察逮捕であるため、第2の9の出頭申告は働きません。
  • 積極・第2の2(1)(ウ):日本人配偶者との婚姻約2年5月。子はありません。

結論を分けた一線はどこか

同類型の許可第5事例も不法就労助長・警察逮捕でしたが、刑事処分は罰金30万円にとどまり、不法残留を伴わず、日本国籍を有する未成年の連れ子がありました。結論は許可です。

刑事処分の重さと結論は単純に対応していません。同じ令和3年のD類型不許可第3事例は、不法就労助長で罰金20万円の略式命令にとどまり、許可第5事例の罰金30万円より軽い処分ながら不許可でした。分水嶺は刑の重さではなく、自己の事業として継続的に助長したかどうかと、守るべき家族関係が現にあるかどうかであったと考えられます。

弁護士のコメント

第1に、執行猶予では足りないという構造です。本件の刑は全部執行猶予付きで、入管法24条4号リ(無期又は1年を超える拘禁刑)には当たりません。それでも24条3号の4により退去強制事由が生じ得ます。刑事段階で不起訴処分を得ていれば見通しが変わった余地はありますが、同号は有罪判決を要件としないため、不起訴だけで該当性が消えるとは限りません。

第2に、故意・過失です。在留カードの確認をどう行い、就労の可否をどこまで調べたかは、刑事事件では当然の争点です。他方、入管実務は退去強制事由の判断に故意・過失を要しない運用を長年踏襲してきました。松村大介弁護士はこの当否を問う訴訟を現に係争中で、結論を先取りできる論点ではありません。刑事段階から争うことが、その後の主張の土台になります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

不法就労助長は、公表事例では不許可が目立つ類型です。もっとも事例集は各年20件前後の抜粋にすぎず、傾向が結論を決めるものではありません。当事務所が担当した事案では、まさにこの類型で在留特別許可を獲得しており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っております。結果をお約束できるものではございません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

不法就労助長罪に問われて強制退去の危機に直面した女性の事案では、退去強制事由に故意・過失を要しないとしてきた実務の当否を問う訴訟を進めております。責任主義・過失責任主義の射程を行政処分にどこまで及ぼすかという問題であり、現在も係争中です。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議により、全件について不起訴処分を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

自ら店舗を営む方の事案では、確認の手順を刑事段階で明らかにしておくことが、その後の在留の見通しを左右いたします。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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