舟渡国際法律事務所

令和3年・不法就労助長で罰金30万円・警察逮捕でも在留特別許可|在日約17年8月・日本国籍の未成年の連れ子がいた事例(A類型許可第5事例)

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令和3年・不法就労助長で罰金30万円・警察逮捕でも在留特別許可|在日約17年8月・日本国籍の未成年の連れ子がいた事例(A類型許可第5事例)

令和3年・不法就労助長で罰金30万円・警察逮捕でも在留特別許可|在日約17年8月・日本国籍の未成年の連れ子がいた事例(A類型許可第5事例)

2026/08/06

事例の概要

不法就労助長で有罪判決を受け、逮捕で発覚した事案でも許可が出ています。令和3年分事例集(出入国在留管理庁が令和4年5月公表)のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第5事例で、「日本人の配偶者等(1年)」が認められました。

違反態様は不法就労助長、端緒は警察逮捕。在日期間は約17年8月、違反期間の欄は原典で空欄(斜線)です。婚姻期間は約1年10月、夫婦間の子はありませんが、日本国籍を有する未成年の連れ子があると記載されています。刑事処分は、入管法違反(不法就労助長)により罰金30万円の判決です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめます。本件は改正法施行前・改定前の判断です。

  • 消極・第2の3(イ):他の外国人の不法就労等に関わる行為。不法就労助長が直接当たります。
  • 消極・第2の6:入管法24条3号の4は、外国人に不法就労活動をさせる行為等を、有罪判決を要件とせずに退去強制事由と定めます。細目は条文に当たって確認する必要があります。
  • 消極:端緒が警察逮捕のため、第2の9の出頭申告は働きません。
  • 積極・第2の2(1)(ウ):日本人配偶者との婚姻約1年10月。
  • 積極・子の利益:日本国籍の未成年者を含む家族の一員として生活していた点。実子であれば第2の2(1)(イ)の当てはめが問題となりますが、続柄は事例集の記載から判明しません。

結論を分けた一線はどこか

同類型の不許可第5事例は、自ら経営する店で外国人を不法就労させたもので、不法残留約5年3月が併存し、懲役2年6月・執行猶予4年・罰金30万円の判決です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。

刑事処分の重さと結論が単純に対応していません。同じ令和3年のD類型不許可第3事例は、不法就労助長で罰金20万円の略式命令にとどまり、本件より軽い処分ながら不許可でした。分水嶺は罰金額ではなく、助長行為の組織性と、守るべき家族関係が現にあるかどうかであったと読めます。

弁護士のコメント

第1に、罰金で終わっても在留は守られないという構造です。入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由とし、全部執行猶予を除きます。財産刑の本件はこの号の射程外ですが、24条3号の4により退去強制事由は生じ得ます。刑事段階で不起訴処分を得ていれば見通しが変わった余地はありますが、同号は有罪判決を要件としないため、不起訴だけで該当性が消えるとは限りません。

第2に、故意・過失です。相手の就労の可否をどこまで確認したかは、刑事事件では当然に検討されます。他方、入管実務は退去強制事由の判断に故意・過失を要しない運用を長年踏襲してきました。松村大介弁護士はこの当否を問う訴訟を現に係争中で、結論を先取りできる論点ではありません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋で、不法就労助長では不許可事例が目立ちますが、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した事案では、まさにこの類型で在留特別許可を獲得しており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っております。結果をお約束できるものではございませんが、公表事例の傾向は出発点にすぎません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

不法就労助長罪に問われて強制退去の危機に直面した女性の事案では、退去強制事由に故意・過失を要しないとしてきた実務の当否を問う訴訟を進めております。責任主義・過失責任主義の射程を行政処分にどこまで及ぼすかという問題であり、現在も係争中です。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者の事案では、徹底した証拠分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

不法就労助長の事案では、罰金であっても在留の問題は残るという前提から弁護方針を組む必要がございます。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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