舟渡国際法律事務所

令和3年・日本人配偶者との婚姻約1年10月で在留特別許可|在日期間のほぼ全部が不法残留・未成年の子1人・出頭申告の事例(A類型許可第1事例)

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令和3年・日本人配偶者との婚姻約1年10月で在留特別許可|在日期間のほぼ全部が不法残留・未成年の子1人・出頭申告の事例(A類型許可第1事例)

令和3年・日本人配偶者との婚姻約1年10月で在留特別許可|在日期間のほぼ全部が不法残留・未成年の子1人・出頭申告の事例(A類型許可第1事例)

2026/08/06

事例の概要

在日期間のほとんどが不法残留でも、許可された例があります。出入国在留管理庁が令和4年5月に公表した令和3年分事例集のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第1事例で、結論は許可、「日本人の配偶者等(1年)」が認められました。

違反態様は不法残留、端緒は出頭申告です。在日期間は約2年3月、うち違反期間は約2年2月で、来日後まもなく在留期間が切れています。婚姻期間は約1年10月、夫婦間に未成年の子が1人あります。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめます。本件は令和5年改正入管法の施行前、かつ改定前の判断です。

  • 積極・第2の2(1)(ウ):日本人と法的に婚姻し、相当期間共同生活をして相互に扶助し、夫婦間に子があるなど婚姻が安定かつ成熟していること。婚姻約1年10月と子1人が当たります。
  • 積極・第2の9:不法滞在の事実を申告するため自ら出頭したこと。
  • 積極・子の利益:本邦で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性(令和6年改定で明示)。
  • 消極・第2の5および第2の6:不法在留期間約2年2月と、退去強制理由となった不法残留の事実。長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定で、従前は積極にも消極にもなり得るとされていました。

素行不良(第2の3)を基礎づける記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可を検討するとします。婚姻約1年10月は長いとはいえません。それでも許可に至ったのは、子の存在が期間の短さとは別の角度から婚姻の安定性を裏づけ、自ら出頭した経緯が加わったためと読めます。

対比は同じ令和3年A類型の不許可第1事例です。そちらも出頭申告・不法残留・刑事処分なしで、婚姻期間は約2年1月と本件より長いのに不許可でした。事例集は婚姻・同居の実態が認められなかった旨を記載しています。天秤を傾けたのは期間の数字ではなく、家族生活が現に営まれていたかどうかと考えられます。

弁護士のコメント

刑事処分がない事案では、退去強制事由該当性そのものを争う余地は限られ、勝負は積極要素の立証に移ります。摘発や警察逮捕で発覚した場合は第2の9の積極要素を欠くうえ、身柄を拘束された状態で資料を集めることになります。

提出の時期も大切です。手続は違反調査、違反審査(認定)、口頭審理(判定)、異議申出と進み、ガイドラインの注4は退去強制令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしています。同居を示す住民票、家計の一体性を示す記録、子の出生や健診の記録は、違反審査の段階から出しておきたいものです。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋で、その年に許可された事案の全体像ではありません。同じ事情の許可例が見当たらないとしても、許可の可能性がないことの証明にはなりません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分そのものの取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦は受理されなかった婚姻と認知を憲法的な観点から当局と交渉して成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

当事務所は、不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。多くの罪名では執行猶予判決を得ても結果として退去強制に至るためです。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

婚姻期間が短い事案では、家族生活の実体を何によって示すかが結論を左右いたします。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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