舟渡国際法律事務所

令和4年・永住者が銀行職員等になりすましキャッシュカードを騙し取り不許可|詐欺・窃盗で在留が認められなかった事例(D類型不許可第3事例)

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令和4年・永住者が銀行職員等になりすましキャッシュカードを騙し取り不許可|詐欺・窃盗で在留が認められなかった事例(D類型不許可第3事例)

令和4年・永住者が銀行職員等になりすましキャッシュカードを騙し取り不許可|詐欺・窃盗で在留が認められなかった事例(D類型不許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

令和4年分事例集のD類型(その他)不許可第3事例です。結論は不許可でした。発覚の端緒は警察逮捕で、違反態様は刑罰法令違反です。在日期間は約12年9月で、違反期間の欄は原文で斜線となっています。刑事処分は、詐欺および窃盗により懲役2年の判決です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します。執行猶予の記載はありません)。不許可の理由として記載された事情は、在留資格が「永住者」であったこと、銀行職員等になりすまして他人のキャッシュカードを騙し取ったこと、在留希望の理由が本邦での在留を継続したいというものであったことです。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

消極要素は次のとおりです。

  • 第2の6:退去強制理由となった事実の反社会性。財産犯であり、被害者に直接の財産的損害を生じさせる態様です。
  • 第2の3:素行が善良でないと評価される事情。
  • 警察逮捕による発覚であり、第2の9の「自ら出頭したこと」に当たりません。

積極要素は、永住者として約12年9月にわたり在留してきた生活の基盤です。家族関係については記載がなく、第2の2の各号に当たる事情は読み取れません。第2の7の人道上の配慮に当たる事情の記載もありません。本件は令和5年改正入管法およびガイドライン改定の前の判断です。

結論を分けた一線はどこか

同じ令和4年D類型の許可第6事例は、幼少時に入国して本邦の教育機関で教育を受けた方が、自ら出頭して定住者(1年)を得たものでした。本件の在日期間は約12年9月で、在留資格も永住者という安定したものでしたが、他人の財産を直接に侵害する犯罪により実刑と読める判決を受けており、この点が天秤を決定的に傾けたと読めます。永住者であることは在留の安定性を示す事情ですが、それ自体で消極要素を上回るものではないと考えられます。

弁護士のコメント

第1に、刑事処分の内容が決定的です。入管法24条4号リは無期または1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由とし、全部執行猶予の場合を除きます。本件のように1年を超える刑が実刑となれば、永住者であっても退去強制事由に当たり、現行法では50条1項ただし書により、在留を許可しないことが人道上の配慮に欠ける特別の事情がある場合に限って許可されます。したがって刑事段階の目標は、不起訴処分の獲得、それが困難でも刑を執行猶予の範囲にとどめることに置かれます。本件で不起訴処分を得られていれば、退去強制事由該当性を生じさせずに済んだ余地があったと考えられますが、断定はできません。第2に、特殊詐欺の事案では、指示役との関係、認識の内容、役割の限定を早期に主張する必要があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表される事例は各年20件前後の抜粋であり、不許可事例に近い事情があることが直ちに結論を意味するものではありません。当事務所は、公表事例では不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を獲得し、許可を得た後も違反認定処分そのものの取消しを争っております。もっとも、結果をお約束できるものではございません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、取調べへの対応方針をその都度立て直し、不当な取調べに対して抗議を重ねることにより、全件について不起訴処分を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。

松村弁護士は、接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

財産犯では、刑の重さが在留の帰趨を直接左右するため、起訴前段階からの活動が要になります。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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