舟渡国際法律事務所

令和4年・永住者が事業活動で複数の外国人を不法就労させて不許可|在日約19年10月でも許可されなかった事例(D類型不許可第2事例)

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令和4年・永住者が事業活動で複数の外国人を不法就労させて不許可|在日約19年10月でも許可されなかった事例(D類型不許可第2事例)

令和4年・永住者が事業活動で複数の外国人を不法就労させて不許可|在日約19年10月でも許可されなかった事例(D類型不許可第2事例)

2026/08/06

事例の概要

令和4年分事例集のD類型(その他)不許可第2事例です。結論は不許可でした。発覚の端緒は警察による逮捕で、違反態様は不法就労助長です。在日約19年10月で、違反期間の欄は原文で斜線となっています。刑事処分は、入管法違反(不法就労助長)により懲役1年・執行猶予3年・罰金70万円の判決です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。不許可の理由として記載された事情は、在留資格が「永住者」であったこと、事業活動に関し複数の外国人に不法就労活動をさせたこと、在留希望の理由が本邦に生活基盤があるというものであったことです。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

消極要素は次のとおりです。

  • 第2の3(イ):他の外国人の不法就労や在留資格の偽装に関わる行為は、特に考慮する消極要素として明示されています。本件は事業活動として複数の外国人を不法就労させたもので、この要素の中心です。
  • 第2の6:退去強制理由となった事実の反社会性。
  • 警察逮捕による発覚で、第2の9の「自ら出頭したこと」に当たりません。

積極要素は、永住者として約19年10月にわたり在留してきた生活の基盤です。家族関係の記載はなく、第2の2の各号に当たる事情は読み取れません。本件は令和5年改正入管法およびガイドライン改定の前の判断です。

結論を分けた一線はどこか

同じ令和4年のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第5事例は、不法就労助長により罰金20万円の略式命令を受けた方が、日本人配偶者との約3年9月の婚姻関係により許可を得たものでした。本件との差は、刑事処分の重さ(罰金の略式命令か、拘禁刑の執行猶予および罰金70万円か)、関与の規模(自らの事業活動として複数の外国人を不法就労させたか)、そして家族関係の有無にあると読めます。永住者としての長期の在留という積極要素だけでは、第3の「明らかに上回る」に至らなかったと考えられます。

弁護士のコメント

第1に、不法就労助長は、入管庁の公表事例では不許可が並ぶ類型です。もっとも、当事務所はこの類型で在留特別許可を得ており、傾向が結論を決めるものではありません。第2に、この類型では認識の内容が実質的な争点です。就労資格の確認をどのように行っていたか、偽造されたカードを見分けられる状況にあったかといった事情は、刑事段階での故意の認定に直結します。退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする運用の当否は、松村大介弁護士が現に訴訟で問うている論点であり、現時点で結論は述べられません。第3に、対照される許可事例が罰金の略式命令であったことは、量刑が入管手続の評価にも影響し得ることを示しています。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋にとどまります。不法就労助長の類型では公表事例に不許可が並びますが、当事務所は、まさにこの類型において在留特別許可を獲得し、許可を得た後も違反認定処分そのものの取消しを争っております。関与の規模や刑事処分の内容によって結論は分かれており、結果をお約束できるものではございません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

不法就労助長罪に問われて強制退去の危機に直面した女性の事案では、入管庁の公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、その後も退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を問う訴訟を進めております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。

松村弁護士は、接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

不法就労助長の事案では、確認の状況と認識の内容を刑事段階から具体的に主張することが要になります。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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