舟渡国際法律事務所

令和4年・幼少時に入国し本邦の教育機関で教育を受けた方に定住者(1年)|在日約18年9月・不法入国でも許可された事例(D類型許可第6事例)

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令和4年・幼少時に入国し本邦の教育機関で教育を受けた方に定住者(1年)|在日約18年9月・不法入国でも許可された事例(D類型許可第6事例)

令和4年・幼少時に入国し本邦の教育機関で教育を受けた方に定住者(1年)|在日約18年9月・不法入国でも許可された事例(D類型許可第6事例)

2026/08/06

事例の概要

令和4年分事例集のD類型(その他)許可第6事例です。結論は許可で、定住者(1年)が認められました。発覚の端緒は出頭申告、違反態様は不法入国で、在日期間および違反期間はいずれも約18年9月です。刑事処分はありません。特記事項には、幼少時に入国し、本邦の教育機関で教育を受けたことが記載されています。在留希望の理由は、本邦に生活基盤があるというものでした。被退去強制歴についての記載はありません。許可された在留期間は1年です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

積極要素は次のとおりです。

  • 第2の2(3):本邦の初等中等教育機関で相当期間教育を受けた者を積極要素とし、本件は本邦の教育機関での教育が明記されています。もっとも、本国で初等中等教育を受けることが困難な事情や地域社会への溶け込みについては、記載からは判明しません。
  • 第2の9の「自ら出頭したこと」。
  • 幼少時からの生育により本邦に生活の基盤があること。

消極要素は、違反態様が不法入国であること(第2の6)と、約18年9月に及ぶ不法在留期間(第2の5)です。令和6年改定により不法在留期間の長期化が明示的な消極要素とされたため、現在は、その期間に築いた生活の内容を積極要素として具体的に示す必要があります。本件は改正法施行前、かつ改定前の判断です。

結論を分けた一線はどこか

天秤を傾けたのは、幼少時に入国して本邦の教育機関で教育を受け、人格形成の時期を本邦で過ごしたという点だと読めます。約18年9月の不法在留は重い消極要素ですが、その期間そのものが本邦での生育の期間でもあるという構造です。同じ令和4年D類型の不許可第3事例は、永住者として約12年9月在留していた方が、詐欺および窃盗により有罪判決を受けたものであり、在留期間の長さでは結論が決まらないことを示しています。

弁護士のコメント

第1に、本邦での成育と教育の立証です。在学証明、卒業証明、地域の支援者による陳述書などにより、教育を受けた期間と地域社会との結びつきを示すことになります。第2に、本国での教育の困難性です。第2の2(3)は本国で初等中等教育を受けることが困難な事情を要素としていますので、言語能力、本国での生活経験の有無、親族の所在などを示す必要があります。第3に、立証の時期です。ガイドラインの注4により、退去強制令書の発付後の事情変更は原則として考慮されません。違反審査および口頭審理の各段階で資料を提出し、認定や判定に対する不服を留保せずに従わないことが大切です。一般的な解説であり、必要な資料は事案により異なります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集に掲載されるのは各年20件前後にとどまり、公表されていない許可事例が多数存在します。したがって、自分と同じ事情の許可例が見当たらないことは、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所は、公表事例では不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を獲得し、許可を得た後も違反認定処分そのものの取消しを争っております。もっとも、傾向を覆せると申し上げるものではございません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

不法就労助長の事案で在留特別許可を獲得した後、退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする運用の当否を、責任主義の射程という観点から問う訴訟を進めております。あわせて、幼少期から本邦で育った方の在留手続にも対応してまいりました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。

松村弁護士は、接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

幼少時から日本で育たれた方の事案では、成育と教育の記録を丁寧に集めることが出発点になります。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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