舟渡国際法律事務所

令和4年・外国籍の実父からの認知で日本国籍を失った方に在留特別許可|不法残留約8年8月でも定住者(1年)が認められた事例(D類型許可第1事例)

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令和4年・外国籍の実父からの認知で日本国籍を失った方に在留特別許可|不法残留約8年8月でも定住者(1年)が認められた事例(D類型許可第1事例)

令和4年・外国籍の実父からの認知で日本国籍を失った方に在留特別許可|不法残留約8年8月でも定住者(1年)が認められた事例(D類型許可第1事例)

2026/08/06

事例の概要

令和4年分事例集のD類型(その他)許可第1事例です。結論は許可で、定住者(1年)が認められました。発覚の端緒は出頭申告、違反態様は不法残留で、在日期間は約8年10月、違反期間は約8年8月です。刑事処分はありません。特記事項には、日本人として出生したものの、その後、外国籍の実父から認知を受けて日本国籍を喪失したことが記載されています。在留希望の理由は、家族との同居を継続したいというものでした。被退去強制歴についての記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

積極要素は次のとおりです。

  • 第2の9の「自ら出頭したこと」。
  • 日本で出生した後、本人の選択によらずに日本国籍を失ったという経緯。第2の7が列挙する人道上の配慮(治療の必要性、本国情勢による帰国困難、無国籍)には直接当たりませんが、帰責性の乏しい身分関係の変動として配慮が働いた事案と読めます。
  • 家族との同居の継続という在留希望の理由。もっとも家族の国籍・在留資格は、事例集の記載からは判明しません。

消極要素は第2の5の不法在留期間で、約8年8月に及びます。令和6年改定でこれが明示的な消極要素と位置づけられたため、現在同じ事情で申請する場合の評価は変わり得ます。本件は令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)およびガイドライン改定(令和6年3月)の前の判断です。

結論を分けた一線はどこか

第3の判断手法に照らすと、天秤を傾けたのは、不法在留の状態に至った原因が本人の選択ではなく、日本国籍の喪失という身分関係の変動にあった点だと読めます。加えて自ら出頭しています。同じ令和4年D類型の不許可第6事例は、在日約9月で稼働目的の偽造在留カードを行使したものであり、在留期間の長短ではなく、違反に至る経緯と素行が結論を分けたと考えられます。本人の意思によらない事情による在留資格の喪失は、許可の側に現れやすい類型です。

弁護士のコメント

第1に、この類型では戸籍と国籍の経緯を示す資料が中心になります。出生の届出、認知の届出、国籍喪失の届出等の記録により、日本国籍を失った経緯と時期を客観的に示すことになります。第2に、立証の時期です。ガイドラインの注4により、退去強制令書の発付後の事情変更は原則として考慮されませんから、違反審査および口頭審理の各段階で家族との同居の実体を示しておく必要があります。住居、家計、生活歴に関する資料が意味を持ちます。第3に、出頭の時期です。本件は自ら出頭して第2の9の積極要素を得ており、刑事処分がない事案ではこの点が数少ない加点要素になります。一般的な整理であり、必要な資料は事案により異なります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表事例は各年20件前後の抜粋であり、実際の許可件数のごく一部にすぎません。同じ事情の許可例が見当たらないことは、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所は、公表事例では不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を獲得し、許可を得た後も違反認定処分そのものの取消しを争っております。結果をお約束できるものではございません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

在留資格を失った後に日本人女性との間に子を授かった相談者の事案では、刑事手続と入管手続を一体のものとして設計し、過去の許可事例の分析を踏まえた申請により在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。

松村弁護士は、接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

国籍の喪失という経緯が関わる事案では、身分関係の記録を早い段階で整えておくことが要になります。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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