舟渡国際法律事務所

令和4年・自己経営店での売春場所提供と外国人の不法就労で不許可|配偶者の在留資格が「経営・管理」だった事例(B類型不許可第2事例)

お問い合わせはこちら

令和4年・自己経営店での売春場所提供と外国人の不法就労で不許可|配偶者の在留資格が「経営・管理」だった事例(B類型不許可第2事例)

令和4年・自己経営店での売春場所提供と外国人の不法就労で不許可|配偶者の在留資格が「経営・管理」だった事例(B類型不許可第2事例)

2026/08/06

事例の概要

素行の消極要素が重なり、配偶者の在留資格も有利な枠に入らなかった例です。出入国在留管理庁公表の令和4年分事例集のB類型(配偶者が正規在留外国人)不許可第2事例です。違反態様は売春周旋及び不法就労助長、端緒は警察逮捕です。在日期間は約9年、婚姻期間は約2年3月、子はありません。違反期間の欄は原文で斜線です。刑事処分は、入管法違反(不法就労助長)、売春防止法違反及び風営法違反により懲役2年、執行猶予4年、罰金50万円です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。配偶者は在留資格「経営・管理」で、事例集は自己の店で売春の場所を提供し外国人を不法就労させた点を挙げます。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめます。

  • 消極・第2の3(エ):他人に売春を行わせる等、社会秩序を著しく乱す行為。場所の提供が直接ここに当たります。
  • 消極・第2の3(イ):他の外国人の不法就労に関わる行為。
  • 消極・第2の6:退去強制理由の反社会性。
  • 消極:端緒は警察逮捕で、第2の9の出頭申告は働きません。
  • 家族関係:配偶者の「経営・管理」は別表第一の在留資格です。第2の2(2)が特に考慮するのは別表第二の在留資格者との家族関係ですから、本件は直接には当たりません。婚姻約2年3月で子もありません。

本件は令和5年改正入管法の施行前の判断です。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。対比は同じ令和4年B類型の許可第4事例です。そちらも配偶者は別表第一の「留学」でしたが、違反は不法残留のみ、違反期間は約5月で、自ら出頭していました。本件は素行の消極要素が二重に重なり、積極要素も薄いままです。配偶者が別表第一という共通点があっても、素行と端緒で結論が分かれると読めます。

弁護士のコメント

第1に、売春に関係する業務への従事は、入管法24条が、刑に処せられたことを要件とせずに退去強制事由と定めています(具体的にどの号に当たるかは、事案ごとに条文に当たって確認する必要があります)。本件の刑は全部執行猶予付きで同条4号リには当たりませんが、それだけで在留が確保されるものではありません。第2に、不法就労助長の部分では、雇い入れた外国人の就労の可否をどこまで確認したかという故意・過失の評価が争点となります。他方、入管実務は退去強制事由の判断に故意・過失を要しない運用を長年踏襲してきました。松村大介弁護士はこの当否を問う訴訟を係争中で、現時点で結論の出る論点ではありません。もっとも、刑事段階から故意・過失を争うことが後の主張の土台になります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集の掲載は各年20件前後にとどまり、その年の許可事案を網羅していません。同じ類型の許可例が見当たらないことは、可能性がないことの証明にはなりません。当事務所が担当した不法就労助長の事案では、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。傾向を覆せると申し上げるものではありません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

不法就労助長罪に問われて強制退去の危機に直面した女性の事案では、退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を問う訴訟を進めております。この事件では、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得しております。

特殊詐欺の出し子とされた20代女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在等を主張し、不起訴処分を獲得しております。

当事務所は、不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

自ら経営する店が問題となる事案では、確認義務をどこまで尽くしたかを刑事段階で明らかにすることが、その後の見通しを左右いたします。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。